為替相場まとめ10月26日から10月30日の週
26日からの週は、重要中銀イベントや英秋季予算案を控えるなか、前週のリスク回避的な円買いが一服し、ドル円は底堅さを取り戻す展開となった。週初から中盤にかけてドル円は、AI関連株の買い戻しや原油高、米金利の持ち直しを背景に買い戻しが優勢となり、節目の158円台を回復して一時158円台前半まで上値を伸ばした。しかし、FOMCでのウォーシュ議長会見で次回利上げのシグナルが見送られたことや、米ハイテク株の反落、さらに週末の日銀金融政策決定会合を受けた思惑などが上値を抑え、157円台を中心としたもみ合いが続いた。ドルストレートでは、ユーロドルがフランスの財政・政治不安や指標悪化から年初来安値に並ぶ1.1113ドルまで下落したものの、ECB理事会でラガルド総裁が追加利上げの可能性を示唆したことで1.12ドル台を回復するなど下げ止まった。ポンドドルは英秋季予算案への警戒から一時1.32ドル台後半まで下落したが、無難な内容に市場の安心感が広がると英中銀の利上げ期待も支えとなり1.34ドル台へ急反発した。クロス円はドル円の持ち直しに伴い週初から買い戻しが先行し、ユーロ円が176円台半ば、ポンド円が211円台へ上昇するなど、前週の急落から水準を切り上げる動きとなった。
(26日)
東京市場のドル円は157.00円を挟んだもみ合いとなった。午前中は仲値にかけてのドル買いや日経平均の一時プラス浮上を受けた円売りで157.22円まで買われたが、株の軟化や米債利回り低下で156.65円まで軟化。午後は株の買い戻しや米金利の下げ止まりで157.10円台へ反発した。ユーロドルはムーディーズによる仏格付け据え置きを好感して1.1227ドルまで上昇後に小幅反落。ポンドドルは秋季予算案を控えて1.33ドル台後半で推移した。
ロンドン市場は、ドル高・円安が優勢となった。東京昼前からの反発を引き継ぎ、米10年債利回りの持ち直しやフランス財政懸念の後退に伴う欧州株高・リスク選好の円売りから、ドル円は157.50円付近まで上値を伸ばした。ユーロドルは独Ifo景況感指数の上振れで一時1.1216ドルへ反発したものの、全般のドル高に押されて1.1180ドル台へ下落。ポンドドルは1.3340ドル台へ軟化した。
NY市場では、ドル円は157円台半ばで底堅く推移した。先週広がったAI関連株への売りが一服し買い戻しが入ったことでリスク回避の円買いが後退し、156円台への押し目買いから157円台を維持した。ユーロドルはフランス情勢への根強い不透明感から上値が重く、1.11ドル台へ下落。ポンドドルは秋季予算案の発表を前に様子見ムードが広がり、1.33ドル台前半へ軟化した。
(27日)
東京市場のドル円はドル買いが先行した。朝方の157.40円台から午前中に157.75円まで上昇し、午後には157.83円まで上値を伸ばした。米金利低下や原油安の動きも見られたが、フランス財政不安を背景としたユーロ売り・ドル買いが全般のドル高を促した。ユーロドルは格下げ警戒の再燃から軟調で1.1163ドルまで下落。ポンドドルも戻り売りに押され1.3329ドルまでじり安となった。
ロンドン市場では、ドル円は157円台後半を中心とした推移となった。米市場でのAI関連株買い戻しや原油高を背景に157.88円まで買われたが、158円手前では売りに押されて小幅な調整にとどまった。ユーロドルは仏格下げ懸念から1.1130ドル台まで売りが先行。ポンドドルはドル高に押されて1.3300ドル台まで下落したものの、翌日の予算案発表を控えて売り一巡後は下げ渋った。
NY市場では、米株式市場や原油の落ち着きを背景にドル高が進み、ドル円は158円手前まで上昇した。ただ翌日のFOMCや日銀会合を控えて見極めムードも強かった。ユーロドルはフランスの政治・財政不安や消費者信頼感指数の低迷を受けて1.1135ドル近辺まで軟化。ポンドドルは秋季予算案への警戒感から1.33ドル台前半で軟調に推移し、ポンド円は210円付近で揉み合った。
(28日)
東京市場のドル円は朝方に158.04円を付け節目の158円台に乗せたが、戻り売りに押されて157.75円まで反落し、その後157.90円台へ戻すなどFOMCを前に神経質な動きとなった。ユーロドルはドル高継続で1.1117ドルまで下落し、年初来安値に接近。ポンドドルも予算案発表を前に一本調子で下げ、1.3284ドルまで水準を切り下げた。豪ドルは豪CPIの伸び加速やNZ中銀のサプライズ据え置きを受けて対NZドルで急伸した。
ロンドン市場では、ドル円は157円台後半での上下動が続いた。中東情勢を巡る地政学報道から原油高・ドル高となり157.98円まで上昇する場面もあったが、158円手前で上値を抑えられ157.60円台へ反落した後に反発した。ユーロドルはフランス財政懸念から一時年初来安値に並ぶ1.1113ドルまで下落後、1.1130ドル前後へ買い戻された。ポンドドルは予算案公表を前に1.3273ドルまで下落後に下げ渋った。
NY市場では、FOMCでのウォーシュ議長会見を受けてドル売りが優勢となった。政策金利は予想通り据え置きとなったが、会見で次回利上げの明確なシグナルが示されなかったことでドル円は158円台から157円台へ失速。ユーロドルはドル安を受けて1.11ドル台半ばへ買い戻された。ポンドドルはヒーリー財務相の秋季予算案が無難な内容で市場に安心感を与えたことから、1.33ドル台を回復した。
(29日)
東京市場のドル円は上下に振れる展開となった。前日の海外市場で158.35円まで買われたドル円は、米会見後のドル売りで朝方に157.70円近くまで下落。仲値にかけて158.07円まで買い戻されたが、158円台の売りに押されて157.61円まで反落後、157.91円までじりじりと反発した。ユーロドルは朝方に1.1161ドルまで買われた後に1.1131ドルまで軟化。ポンドドルも1.3336ドルまで上昇後に1.3305ドルへ押し戻された。
ロンドン市場では、ドル円は主要イベントを前に落ち着いた動きとなり、157円台後半から158.05円まで小幅に上昇した。ユーロドルはECB理事会を控えて1.1125ドルから1.1150ドル台のレンジで不安定に上下動。ポンドドルも一時1.3300ドルを割り込んだ後に下げ分を解消し、ポンド円は210.00円割れから210.50円台へ反発した。
NY市場では、アルファベット決算を受けたAI関連株の急落や米金利・原油の下落により、ドル円は157円台後半へ値を落とした。ただしリスク回避の円高ではなくドル安主導で、下値は堅持された。ユーロドルはECBの政策据え置き後にラガルド総裁が12月利上げの可能性を示唆したことで1.1170ドル近辺へ急反発。ポンドドルも予算案通過後の利上げ期待を背景に1.33ドル台後半へ続伸し、ポンド円は211円台を回復した。
(30日)
東京市場のドル円は日銀金融政策決定会合を挟んで荒い値動きとなった。朝方はアジア株安に伴う円買いで157.20円前後へ軟化後、イスラエルによるイラン攻撃懸念に伴う原油急騰で一時ドル買いが入った。日銀会合では現状維持が決定されたものの、展望レポートでの物価見通し上方修正を受けて一時157.10円台まで円買いが進んだが、午後は織り込み済みとして買い戻され157.70円近くまで反発した。ユーロドルは朝方に1.1215ドルまで上昇後、原油高によるドル買いで1.1180ドル台へ軟化。ポンドドルは1.3407ドルまで買われた後に揉み合いとなった。
ロンドン市場は、東京午後の流れが継続し朝方にドル買い優勢となった。午後3時半からの植田総裁の会見では、次回の利上げについての明確な示唆が無かったこともあり、会見中に戻り高値を付ける動きも見られたが、その後は「物価見通しは上振れリスクの方が大きい」などの発言や、「今後の金融政策は、局面変化を念頭に、毎会合で議論」「次回会合を含めて各会合で情勢を点検して判断」と次回以降の利上げを排除しない姿勢を示したことで、円買いが優勢となった。ナスダック先物の下げを受けたリスク警戒の円買いや他通貨でのドル安から上値が重くなり、一時156.99円を付けた。ユーロドルやポンドドルでも朝はドル高。ユーロドルは朝方に1.1169ドルまで軟化したものの、その後反発して、1.1200ドル台を回復する動きとなった。ポンドドルも東京午後の1.3380ドル台から上昇し、1.3430ドル台を付ける動き。クロス円はドル円同様に植田総裁の会見中に円売りがやや優勢となったものの続かず、その後に円買いへ転じた。ユーロ円は176.40円台を付けた後に175.70円台まで大きく下げる展開。
NY市場でドル円は序盤に売りが優勢となり、一時156円台に下落する場面が見られた。ドル安が出ていた一方、むしろ円高がドル円を押し下げていた。しかし、後半になるとその下げを戻している。10月末ということもあり、実需に絡んだ値動きが中心だったのかもしれない。本日は日銀決定会合の結果が発表になり、植田総裁の会見も行われていたが、それによる円高との見方は少ない。むしろ、前日のアマゾンとインテルの決算を受けた米株式市場の急落が影響していたとの指摘も出ていた。
執筆者 : MINKABU PRESS
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