【通貨別まとめと見通し】ユーロ円:185円台後半への再挑戦と突発的急落、週末を挟んだ激しいV字攻防を経て185円大台の分岐点へ
【通貨別まとめと見通し】ユーロ円:185円台後半への再挑戦と突発的急落、週末を挟んだ激しいV字攻防を経て185円大台の分岐点へ
先週から今週(7月6日〜7月13日)のまとめ
前回レポートで見られた深い調整からの強烈なV字回復の流れを引き継ぎ、週前半から中盤にかけては非常に堅調な推移となった。7月7日(火)朝方に一時185.55円まで買い進まれると、8日(水)深夜には185.50円を奪還。9日(木)深夜には一時185.82円まで上値を拡張し、前回高値(185.84円)に肉薄して大台突破を強く意識させるステージへ入った。
しかし、10日(金)の東京時間午前(9:00〜11:00台)に相場は急転する。高値圏の185.60円台から突如として大口の売り注文やロング勢の投げが加速し、わずか数時間で184.83円まで垂直落下。その後もNY時間にかけて売り圧力を引きずり、一時184.47円まで下押しされて週末の取引を終えた。
週明け13日(月)は、早朝に一時184.31円まで下値を広げたものの、そこから再び急激なV字回復を演じ、欧州時間には一時185.47円まで急反騰。しかし、上値では戻り売りも強く、本日14日(火)午前にかけては184.80〜185.00円付近へと押し戻されている。依然として構造的な底堅さと、高値圏での強い警戒感が交錯する激しいボラティリティが継続している。
詳細な値動きの振り返り
■ 185円台後半への再拡張と185.82円への肉薄(7月6日〜7月9日)
週前半は押し目買い優勢の展開が続いた。6日(月)の反発から7日(火)朝方に185.55円を記録。その後一時的に揉み合ったものの、8日(水)深夜には185.50円を奪還。9日(木)の欧州時間からNY時間にかけて一段と上値を伸ばし、一時185.82円に到達した。直近高値更新、さらには年初来高値(186.32円)を見据えた上昇チャネルへの完全復帰が現実味を帯びる展開となった。
■ 金曜東京時間の突発的急落による184.47円への値幅調整(7月10日)
堅調そのものだった相場は10日(金)の東京オープンとともに急変した。朝方まで185.60円台を維持していたが、午前9:00を回ると突如売りが加速。10:00台には185.02円、11:00台には184.83円まで一気に急落した。本邦当局による実質的な介入警戒や、週末を控えたロング勢のポジション調整が引き金となり、欧州・NY時間も地合いを引きずって一時184.47円まで下落。クローズにかけては184.56円と、深い調整を余儀なくされて取引を終えた。
■ 週明けのV字急反発と185円大台を巡る攻防(7月13日〜14日現在)
週明け13日(月)は、オセアニア時間に一時184.31円の安値をつけたものの、実需の押し目買いが素早く流入。東京時間からじわじわと水準を戻すと、欧州時間(16:00〜17:00台)には一気にアクセルが踏まれ、一時185.47円まで急伸するダイナミックなV字回復を演じた。しかし、売り込まれた金曜の記憶も新しく、NY時間以降は再び利益確定売りに押されて失速。本日14日(火)午前11:00現在、184.99円付近での揉み合いとなっており、心理的節目である185.00円のサポート力を再テストするステージにある。
ファンダメンタルズ分析
欧州・米国側(ECBのタカ派据え置き観測の継続とユーロの底堅さ):
ECBによる早期・連続利下げ観測が当局者の発言等で牽制され続ける中、インフレ高止まりへの警戒感からユーロ自体の下値は非常に強固である。金曜の急落局面や週明けの押し目においても、マクロ的なユーロ買いの安心感が迅速な買い戻し(185.47円へのV字回復)を支える大前提となっている。
日本側(高値圏での「見えない壁」と実需の金利差需要の激突):
185.80円台へアプローチするたびに発生する突発的な急落(7月2日に続き7月10日も発生)は、市場に「185円台後半以上での本邦当局による為替介入への強い恐怖心」を植え付けている。しかし、実際に下押しした水準(184円台前半〜半ば)では、圧倒的な日欧の実質金利差を背景としたマクロロング勢の買い意欲が極めて旺盛であることも同時に証明された。結果として、高値圏での強烈な「介入警戒(牽制売り)」と、安値圏での構造的な「金利差需要(押し目買い)」が激しくぶつかり合う、神経質なレンジ構築の様相を呈している。
テクニカル分析
トレンド
7月10日の急落で日足ベースの上昇モメンタムは一時的に削がれたものの、13日の184.31円をボトムとするV字反発により、下値を大きく崩すまでには至っていない。ただし、7月2日安値(183.79円)、3日安値(183.94円)に続き、今回の13日安値(184.31円)と、短期的な下値サポートラインはジリジリと切り上がっている。
一方で、上値も2日高値(185.84円)に続き9日高値(185.82円)と「ダブルトップ」に近い抵抗帯を形成しており、短期的には184.30〜185.80円を中心とした大型のボックス、あるいはレンジ内での保ち合いに移行しつつある。本日14日の揉み合い(185.00円付近)の終値が、心理的節目である185.00円水準を維持できるかが、今週のトレンド再開か再調整かの最初の分岐点となる。
レジスタンス1: 185.47 - 185.55(13日の戻り高値および7日の戻り高値。ここをクリアしないと上値追いの勢いは戻らない)
レジスタンス2: 185.82 - 185.84(6月30日・7月9日に明確に上値を阻まれた最大抵抗帯。抜ければ大台を意識して加速しやすい)
レジスタンス3: 186.32(6月17日に記録した年初来高値。最大の難所)
サポート1: 184.80 - 185.00(心理的節目であり、本日14日の足元で機能している直近の防衛線)
サポート2: 184.30 - 184.50(10日安値圏および13日最安値184.31円を含むロールリバーサル支持帯。生命線)
サポート3: 183.79 - 183.94(7月上旬の調整最安値圏。ここを再度割り込まない限り、中期的な強気シナリオは崩れない)
今後のポイント・見通し
今週の最大の焦点は、金曜の急落と月曜の急反発を経て、再び心理的節目である「185.00円」付近に収斂した相場が、ここを土台として再度185円台後半〜186円突破へシフトできるか、あるいは上値の重さが嫌気されて184円台前半のサポート力を再テストする流れになるかである。
【メインシナリオ】185.00円付近での日柄調整を経て、再度185円台半ば〜後半へ浮上する展開
184.80〜185.00円のサポート帯が機能し、金曜の急落ショックをこなして底堅さを回復する展開。圧倒的な日欧金利差を背景にした押し目買いがじわりと優勢になり、直近の戻り高値である185.47円を捉え、再び185.80円超えを伺う底堅い推移を想定。
想定レンジ: 184.50 - 185.80
根拠: 日足レベルでの下値切り上がり傾向の継続、マクロ的な構造的ユーロ買い需要、および13日の力強いV字回復の形跡。
【対抗シナリオ】185.00円割れ定着による再失速と、184円台前半のサポート再テスト展開
185.00円の節目を維持できず、上値の重さや本邦当局の牽制発言等を嫌気してロング勢の撤退が先行する展開。184.80円を割り込むと売り足が速まり、週末・週明けの防衛線である184.30〜184.50円水準を再びテストしに行く展開を想定。
想定レンジ: 183.90 - 185.30
根拠: 185.50円以上での断続的な売り圧力(介入警戒感)、短期間での急激な乱高下に伴う市場の警戒感、および節目(185.00円)を割り込んだ場合のテクニカル的な下押しバイアス。
総評
7月6日から7月13日にかけてのユーロ円は、185.82円への上値拡張から一転して金曜に184.47円まで急落、さらに週明けに185.47円までV字反発するなど、前週以上の激しい乱高下を演じた。この動きは、市場が構造的な金利差から「ユーロを買いたい」というマクロの意志を持ちつつも、高値圏での「介入リスクという見えない壁」に阻まれている現状を如実に物語っている。
足元はちょうどその中間値である185.00円付近でエネルギーを溜める形となっている。今週は、この185.00円近辺を死守して再び上値抵抗帯(185.47〜185.82円)に挑むだけの体力を回復できるか、あるいは上値の重さから再び下値防衛線(184.30円付近)の強固さを試すことになるかの重要な見極め期間となる。
今週の主な予定と結果
ユーロ圏
07/15 18:00 鉱工業生産指数 (5月) 予想 0.4% 前回 0.1% (前月比)
07/15 18:00 鉱工業生産指数 (5月) 予想 -0.4% 前回 0.3% (前年比)
07/16 18:00 貿易収支 (5月) 前回 -10.0億ユーロ (季調前)
07/16 18:00 貿易収支 (5月) 予想 24.0億ユーロ 前回 13.0億ユーロ (季調済)
07/17 17:00 経常収支 (5月) 前回 157.0億ユーロ (季調済)
07/17 18:00 消費者物価指数(HICP・確報値) (6月) 予想 2.8% 前回 2.8% (前年比)
07/17 18:00 消費者物価指数(HICP・確報値) (6月) 予想 2.4% 前回 2.4% (コア・前年比)
ドイツ
07/13 21:35 経常収支 (5月) 結果 104.0億ユーロ 前回 138.0億ユーロ
07/14 15:00 卸売物価指数 (6月) 前回 -0.6% (前月比)
07/14 15:00 卸売物価指数 (6月) 前回 5.9% (前年比)
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。