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【来週の注目材料】ここにきてブレの大きい非農業部門雇用者数に注目

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【来週の注目材料】ここにきてブレの大きい非農業部門雇用者数に注目

 1月9日に12月の米雇用統計が発表されます。米雇用統計は、基準日である12日を含む週から数えて3回目の金曜日に発表されるのが基本です。その計算では1月2日の発表となりますが、クリスマスや年末年始を挟む時期のため、1月の発表は少し変則的になります。

 まず、米連邦政府機関閉鎖の影響で11月の雇用統計と10月の雇用統計の一部が同時に公表された、12月16日の発表内容を振り返ってみましょう。11月の失業率は4.6%となり、9月の4.4%から0.2ポイント悪化しました(10月分は計測不能のため発表がありません)。労働参加率は62.4%から62.5%に上昇していますが、詳細に見ると62.448%から62.473%へ0.025ポイント上昇したに過ぎず、失業率の悪化にそれほど大きな影響は与えていません。

 内訳を確認すると、ティーンエイジャーの失業率が13.2%から16.3%へ一気に3ポイント以上悪化しました。また、正社員を望みながらパートタイム職しか得られていない人が1.5倍に増えるなど、比較的弱い層の雇用環境が厳しくなっています。非自発的失業者を含めたU6失業率も、8.0%から8.7%へ0.7ポイントの大幅な悪化となりました。これらは雇用市場が弱い時に生じやすい状況です

 非農業部門雇用者数は、10月が前月比-10.5万人と予想の-2.5万人を大きく超える減少となり、11月は+6.4万人と反動もあって増加しました。8月分は-2.6万人、9月分は+10.8万人にそれぞれ下方修正されています。10月・11月の合計は4.1万人の減少となっています。3か月平均では+2.2万人にとどまり、ダラス連銀が推計する「失業率を一定に保つために必要な最低限の雇用者数(ブレークイーブン雇用)」の約3万人(10月9日時点の推計値)すら下回っている状況です。

 非農業部門雇用者数の内訳では、10月の大幅な減少は政府部門(-15.7万人)が主な要因でした。トランプ政権下での早期退職プログラムでは「9月までの給与支払い」が条件となっているものが多く、それまでは職を実際に離れていても統計上は雇用者として扱われていましたが、10月に入ってその分が一気に減少した形です。11月の政府部門の減少は0.5万人にとどまりました。一方、民間部門は10月が+5.2万人、11月が+6.9万人と、まずまずの水準を維持しています。

 11月に弱さが目立ったのは娯楽・接客業(-1.2万人)でした。この部門は飲食業など大きな雇用を抱えており、好況時には雇用市場を支えることが多いのですが、今回はカジノ・アミューズメントや宿泊業が振るわず、部門全体がマイナスとなりました。これは政府機関の閉鎖による空の便の乱れや、国立公園の閉鎖が観光業に影響を与えたためと考えられます。

 続いて関連指標です。新規失業保険申請件数は基準日である12日を含む週の比較で、11月が22.2万件、12月が22.4万となっており、ほぼ同水準です。

 12月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は予想の91.0に対して89.1と低い数字になりました。内訳のうち、雇用部門は職が十分にあるとの回答が減り、職を探すのが困難であるとの回答が増える厳しい状況。両者の差は前回11月に2021年2月以来の低水準となる8.1まで悪化していましたが12月は5.9とそこからさらに悪化しています。

 これらの状況を踏まえた今回の予想ですが、非農業部門雇用者数は前月比+6.0万人が見込まれています。前回の11月分が記録的に弱かった10月からの反動を含んでいたことを考慮すると、今回の+6.0万人は決して悪くない数字といえます。民間雇用がある程度の強さを維持していること、前回の娯楽・接客業の弱さが政府機関閉鎖の一時的な影響であれば、12月は改善が見込まれることから、12月は比較的しっかりした数字が見込まれます。失業率も4.5%へと0.1ポイント改善する予想です。

 12月23日に発表された米第3四半期GDP(速報値)は、前期比年率+4.3%と市場予想の+3.3%を大きく上回る伸びを見せました。第2四半期も+3.8%と高水準でしたが、こちらはトランプ関税の影響で輸入が第1四半期に前倒しされ、第1四半期のGDPを押し下げ、その反動で第2四半期が強くなったものです。一方、第3四半期GDPは、個人消費、特に経済に余裕があるときに伸びやすい「娯楽・レクリエーション部門」の伸びが目立っていました。

 総じて、米経済は厳しさが意識され、景況感の悪化も見られつつ、データ的には意外な底堅さを見せているという状況です。今回の雇用統計が予想通り、あるいは予想より強めの結果となれば、追加利下げへの期待が後退し、ドル高となる可能性が十分にありそうです。

MINKABUPRESS 山岡

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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