ダウ平均はプラスに転じる これまで通りに押し目買いに支えられる=米国株序盤
NY株式14日(NY時間12:19)(日本時間01:19)
ダウ平均 46255.27(+187.69 +0.41%)
ナスダック 22584.66(-109.95 -0.50%)
CME日経平均先物 47200(大証終比:+410 +0.87%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は続伸。序盤はリスク回避の雰囲気が復活し、ダウ平均は615ドル安まで急落していたものの、徐々に切り返しており、プラスに転じている。IT・ハイテク株も買戻しが見られているものの、エヌビディア<NVDA>やブロードコム<AVGO>、テスラ<TSLA>などはなおマイナス圏で推移しており、ナスダックも下落している。
前日はトランプ大統領が対中強硬姿勢を軟化させたこともあって、先週金曜日の混乱は落ち着き、米株式市場は買戻しが膨らんでいた。ひとまず安心感が広がっていたが、米中の貿易戦争は燻っており、本日の米株式市場を圧迫している。
中国が韓国の造船大手ハンファオーシャンの米関連企業5社に対し制裁を科すと発表。米国による通商法301条に基づく中国海事・物流・造船業界に対する調査への対抗措置だとしている。貿易摩擦が再び激化し、4月から続いていた上昇相場への懸念が再び浮上している。
調整色を強めるか、それともこれまで通りに押し目買いに支えられるか、注目される展開ではあったが、いまのところはこれまで通りに押し目買いに支えられているようだ。ただ、AI関連よりも産業や金融など別のセクターが主導している。
ストラテジストからは「本日の市場は再びリスク回避モードに戻りつつあるが、ファンダメンタルズの転換というよりは、流動性の薄い中での短期資金のポジション調整にも見える」との声も出ていた。
取引開始前に米大手銀の決算が発表になった。トランプ関税によるボラティリティの高まりを背景に、トレーディング部門が堅調だったほか、M&Aなどのディールメイキングも回復し、投資銀行部門も全体的に好調だった。しかし、リスク回避的な雰囲気も出ていたことから株価の反応は鈍い。
このあとパウエル議長の講演が控えている。議長は全米企業エコノミスト協会(NABE)で経済や金融政策の見通しについて講演する予定。米政府機関閉鎖で米経済指標の発表がなく、手掛かり材料が少ない中、年内の金融政策について、何らかのヒントが出るか注目される。これまでのFOMC委員の発言からすると、恐らく追加利下げに慎重姿勢を堅持するとも見られているようだ。
AMD<AMD>が上昇。取引開始前にオラクル<ORCL>が、2026年第3四半期からデータセンター用コンピューターにAMDの次世代チップ「MI450」を5万個導入する計画を発表した。
半導体機器のナビタス・セミコンダクター<NVTS>が大幅高。エヌビディア<NVDA>の「800V DC AIファクトリー」アーキテクチャ向けのデバイスを発表したことが材料視されている。
化学品メーカーのオリオン<OEC>が暫定決算を受け大幅安。EBITDAは約5500万ドルを見込んだほか、通期のEBITDA見通しを下方修正したことが嫌気されている。
オフロード車両、スノーモービルなど特殊車両を手掛けるポラリス<PII>が大幅高。前日引け後にインディアン・モーターサイクル部門の分離独立を発表した。投資会社のキャロル・ウッドに過半数の株式を売却する契約を締結。
ドミノ・ピザ<DPZ>が決算を受け上昇。既存店売上高が米国、海外とも予想を上回った。
ナビタス<NVTS> 12.27(+2.30 +23.05%)
オリオン<OEC> 5.49(-1.35 -19.74%)
ポラリス<PII> 68.92(+7.56 +12.32%)
ドミノ・ピザ<DPZ> 425.32(+17.06 +4.18%)
アップル<AAPL> 247.50(-0.16 -0.06%)
マイクロソフト<MSFT> 512.00(-2.05 -0.40%)
アマゾン<AMZN> 218.22(-1.85 -0.84%)
アルファベットC<GOOG> 246.97(+2.33 +0.95%)
アルファベットA<GOOGL> 246.08(+1.93 +0.79%)
テスラ<TSLA> 428.45(-7.45 -1.71%)
エヌビディア<NVDA> 182.92(-5.40 -2.87%)
メタ<META> 713.37(-2.33 -0.33%)
AMD<AMD> 222.41(+5.99 +2.77%)
イーライリリー<LLY> 812.82(-6.59 -0.80%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。