ドル円、142円台前半まで下げ拡大 中国が報復措置を強化 140円を視野に入れそうな雰囲気=NY為替序盤
きょうもドル円は売りが続いており、142円台前半まで下げ幅を拡大させている。昨年9月以来の安値水準。ドル安が強まる中、ドル円は今週の下値サポートとなっていた144円をあっさりと割り込んみ、目先は心理的節目の140円と昨年9月安値の139.60円を視野に入れそうな気配となっている。
トランプ大統領の保護主義政策をきっかけに、市場ではドル離れが指摘されている。また、今回の貿易戦争が米経済に長期的な打撃をもたらすのではとの懸念も根強い。ロンドン時間に中国が対米関税を84%から125%への引き上げを発表した。4月12日より実施される。中国財政部は、ホワイトハウスが今年に入って、中国製品への課税を計145%(相互125%、薬物20%)まで引き上げたことを受けての措置だとしている。トランプ大統領は、報復措置を取らずに協議に応じる条件で、90日間の猶予を設定しているが、中国は応じない形となっている。
中国の場合、「暮らしより面子!」のお国柄でもあり、今回の対抗措置強化はある程度想定範囲内ではあるが、市場は貿易戦争のエスカレートをさらに警戒して、リスク回避の動きを加速させている。
なお、先ほど3月の米生産者物価指数(PPI)が発表になっていたが、前日のCPIに引き続き、予想外のインフレ鈍化を示していた。しかし、FRBのスタンスに変化はないと見られており、市場もそれ自体には限定的な反応に留まっている。
なお、日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は現行付近には観測されていない。
11日(金)
145.95ドル(5.6億ドル)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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