ドル一段安、中国が対米報復関税125%に引き上げ、ドル円一時142円割れ目前=ロンドン為替概況
ドル一段安、中国が対米報復関税125%に引き上げ、ドル円一時142円割れ目前=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、ドルが一段安となった。中国が米国製品への報復関税を84%から125%に引き上げ、4月12日から発動としたことに反応した。先の見えない米中貿易戦争激化を受けて、ドルが全般的に売られた。ドル円は143円台割れから142.07近辺まで下落。ユーロドルは1.13台前半から1.1473近辺まで急伸。ポンドドルも1.30付近から1.3145近辺まで買われた。プラス圏で推移していた欧州株や米株先物・時間外取引もマイナスに転じた。その後はドル売り一巡となっているが、きょう全体をみれば依然としてドル安の水準で推移している。ドル指数は節目の100を割り込んでいる。クロス円は通貨ごとにまちまちな動きとなっており、全般的な流れは見られず。このあとのNY時間にトランプ政権からさらなる反応がみられるのか、週末にかけて市場の緊張は続きそうだ。
ドル円は143円付近での取引。東京早朝の144.64近辺を高値に上値重く推移している。143円台割れとなったあと、144円台を回復する場面があったが、ロンドン朝方から再び売りが強まった。中国が対米報復関税を84%から125%に引き上げ、12日から発効としたことがドル売りを誘った。一時142.07近辺まで下落している。142円台割れは回避されて売買が交錯するなかで、足元では143円付近へと下げ一服となっている。
ユーロドルは1.13台半ばでの取引。東京朝方の1.1191近辺を安値に、ドル安の動きとともに上昇している。ロンドン市場では中国の対米報復関税引き上げを受けて、1.1473近辺まで高値を伸ばした。その後は調整が入り、1.13台前半まで反落した。ユーロ円は東京午前の161.31近辺を安値に買われ、ロンドン序盤には163.13近辺に高値を伸ばした。しかし、買いは続かず162円台割れまで反落する場面もあった。対ポンドではユーロ買いが優勢。EUは90日間の米国関税の一時停止を最大限に利用する、としており交渉姿勢を示している。ラガルドECB総裁は、ECBは監視しており、物価安定性を確保するための手段を使う準備できている、と述べた。
ポンドドルは1.30台後半での取引。東京朝方の1.2968近辺を安値に買われ、ロンドン序盤には1.3145近辺まで高値を伸ばした。その後は上昇一服となり、1.3050付近まで反落している。ポンド円は東京市場で売りが強まり、187.58近辺を高値に186.04近辺まで下押しされた。その後はロンドン朝方に187円台半ばまで買い戻されるなど神経質に上下動している。ユーロポンドは0.8628から0.8738までのレンジで、ユーロ買い・ポンド売りが優勢となっている。ポンドはトランプ関税でのリスク回避局面で、対ユーロを中心に売られやすい傾向が続いている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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