【これからの見通し】相場の荒れ度合いは依然強い、一部には米国売りの兆しも
【これからの見通し】相場の荒れ度合いは依然強い、一部には米国売りの兆しも
きょうはトランプ相互関税第二弾が発動された。中国に対しては合計で104%もの高い関税がかけられている。トランプ大統領はすでに70カ国から交渉の依頼が届いていると満足気だが、市場の不安は一段と増幅している。きょうは米債利回りの上昇が目立っており、米30年債利回りは一時5%に達した。これまでのリスク回避に基づいた米債利回りの低下の図式から転じて、米債売り(利回り上昇)へと変化している。一部には「米国売り」といった声も出てきている。
ドル円は引き続き、激しい売買を伴いながら下落している。今日は一時144.58レベルと直近安値を試す場面があった。足元では145円台に戻しているが不安定な相場に変化はみられていない。ユーロドルはドル売り圧力を受けて、1.10台後半へと上昇。ポンドドルは1.28台前半に上昇。各主要通貨に対してドルが売られている。ただ、中国経済への依存度の高いオセアニア通貨には、それ自体に対する売り圧力も交錯しており、ドルといい勝負の弱さを示している。
この後のマーケットでは、米債利回り動向に注意したい。いわゆる米国売り現象が一時的にとどまるのか、今後の市場テーマとなってゆくのかを判断する必要がありそうだ。
日本時間午後4時には財務省、金融庁、日銀3者会合が実施される。トランプ相互関税というこれまでに無かったような事態を受けた市場の混乱を、どのように収拾させるのか。そのメッセージが注目される。
この後の海外市場で発表される経済指標は、米MBA住宅ローン申請指数(03/29 - 04/04)、米卸売在庫(確報値)(2月)、メキシコ消費者物価指数(CPI)(3月)、ブラジル小売売上高(2月)などが予定されている。
発言イベント関連では、エスクリバ・スペイン中銀総裁、クノット・オランダ中銀総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁、チポローネECB理事など一連のECB当局者の講演などが予定されている。米金融当局ではバーキン・リッチモンド連銀総裁が講演を行う。米週間石油在庫統計が発表される。NY午後には米FOMC議事録(3月18-19日開催分)の公表、米10年債入札(390億ドル)実施などが予定されている。
しかし、市場はトランプ関税関連の報道に引き続き注意を向けており、グリア米通商代表部(USTR)代表の米下院歳入委員会証言が波乱材料となる可能性には注意しておきたい。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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