ドル円、150円台を維持できず クロス円も下落=NY為替概況
ドル円、150円台を維持できず クロス円も下落=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は再び150円を割り込んだ。前日に150円を突破し、東京時間には一時151円を試す展開が見られたものの上値を維持できていない。特段の売り材料は見当たらなったが、3月期末が接近していることもあり、ポジション調整が活発に出ている可能性はありそうだ。円安の動きも一服し、ユーロ円やポンド円といったクロス円も戻り売りに押された。
東京時間に日銀の1月会合分の議事要旨が公表されていたが、「経済・物価見通し実現なら、引き続き利上げが適当」としていた。他の委員の発言なども加味すると、方向感は追加利上げで変わらずだが、慎重なペースが好ましいといった雰囲気のようだ。
少なくとも春以降、賃金上昇の広がりと4月2日以降の関税の影響、そして不透明感もささやかれ始めている世界経済の動向を確認したい意向と思われる。短期金融市場では7月か9月の利上げを織り込む一方、6月の可能性も排除していない状況に変化はない。
本日はこのところのドル高が一服し、ユーロドルも下げを一服させていた。しかし、買い戻しを強める動きまでは見られず、1.08ドルちょうど付近で方向感のない展開となった。ロンドン時間に3月調査のIfo景況感指数が公表されていたが、前回から上昇したものの予想通りの内容でもあったことから、ユーロの反応は限定的となっていた。
ユーロドルは先週からの連続下落で、3月に入ってからの急上昇の調整が入り、過熱感は完全になくなっている。200日線の上は維持しており、リバウンド相場の流れにはなおあるものの、現在は次のアクション待ちの雰囲気も出ている。
ポンドドルは1.29ドル台半ばに買い戻された。ポンドに関しては、明日の英消費者物価指数(CPI)やリーブス財務相の春季予算案の提出が待たれる。
今月発表になった1月の月次英GDPは予想外のマイナス成長となっていたが、ストラテジストは英国の低成長はポンドの見通しにリスクをもたらすと指摘し、期待外れの成長が政府の税収を圧迫しているという。成長回復がなければ、秋にさらなる増税が行われるリスクが残る。利下げは経済見通しを押し上げるが、英中銀はインフレ圧力が依然として高いことを理由に慎重姿勢を崩していない。
同氏は、ポンドは英中銀の慎重な利下げ姿勢から引き続きある程度の支援を受けるという。しかし、英経済が低成長、苦戦する財政、低い企業信頼感、低い生産性成長との関連を断ち切れない場合、ポンドの相対的な魅力は薄れるだろうと述べている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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