ダウ平均は大幅続落 トランプ大統領の関税のニュースに再び売り=米国株序盤
NY株式11日(NY時間10:24)(日本時間23:24)
ダウ平均 41463.32(-448.39 -1.07%)
ナスダック 17405.58(-62.74 -0.36%)
CME日経平均先物 36465(大証終比:-295 -0.80%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は続落。IT・ハイテク株に買い戻しが入るなど下げ一服で始まりそうな気配ではあったが、トランプ大統領の関税のニュースに再び売りが強まっている。トランプ大統領はカナダ産の鉄鋼とアルミニウムに50%の関税を課すと伝わった。また、カナダの自動車産業を「永久に閉鎖させる」と脅している。
さらにカナダのオンタリオ州が米国の3州に輸出する電力に対し25%の割増料金を適用する措置を実施すると発表したことで、大統領は電力に関して国家緊急事態を宣言する。オンタリオ州は追加関税を課すなら、米国への電力供給を停止すると警告している。
関税と政府の歳出削減が米成長に打撃を与えるとの懸念から、前日の米株式市場は売りが強まった。ダウ平均は一時1100ドル超急落するなど、大幅な見直しが入ったが、本日もそのムードは続きそうだ。
「短期的には、押し目買いを推奨するのは依然難しく、弱気のケースの方がより大きなウェイトを占めている。成長への期待は後退を続け、企業業績への期待もそれにつれて低下しているようだ」との指摘が出ている。
また、「トランプ政権の政策への不透明感が先行きを曇らせている一方、FRBプット(FRBの支援)はホワイトハウスと同じくらい捉えどころがない」との見解も聞かれた。
米大手銀のストラテジストは、米国株への投資判断を中立に引き下げていた。
一方、一部では景気後退への懸念が浮上しているが、「それは誇張され過ぎている。なぜ突然不況になるのか?実際に景気後退を示す指標は何か?比較的好調な米雇用統計があり、個人消費の伸びもまだ3ー4%のペースだ」との声も聞かれる。
先ほど1月の米求人件数が公表され、予想を上回ったことから、市場も懸念を一服させていたが、トランプ大統領のニュースに掻き消されてしまった。
ベライゾン<VZ>が下落。同社幹部のブルベン氏が投資銀行主催のコンファレンスで講演を行い、第1四半期は競争激化のレベルが高まったと言及したことが嫌気されている。
オラクル<ORCL>が決算を受け下落。1株利益、売上高とも予想を下回った。クラウドサービスが予想を下回っている。ただ、受注残を示す残存履行義務(RPO)は63%増加した。
デルタ航空<DAL>が下落。前日引け後に1-3月期(第1四半期)のガイダンスを更新し、1株利益を従来の約半分に下方修正した。不安定な経済とフライトの安全性を巡る懸念が国内旅行の需要に水を差したとしている。
ベライゾン<VZ> 43.15(-3.34 -7.18%)
AT&T<T> 26.70(-0.58 -2.13%)
オラクル<ORCL> 139.81(-8.98 -6.04%)
デルタ航空<DAL> 47.21(-3.13 -6.21%)
アップル<AAPL> 223.05(-4.44 -1.95%)
マイクロソフト<MSFT> 382.91(+2.75 +0.72%)
アマゾン<AMZN> 195.96(+1.42 +0.73%)
アルファベットC<GOOG> 166.45(-1.36 -0.81%)
テスラ<TSLA> 225.65(+3.50 +1.58%)
メタ<META> 602.34(+4.35 +0.73%)
AMD<AMD> 96.28(-0.35 -0.36%)
エヌビディア<NVDA> 107.18(+0.20 +0.19%)
イーライリリー<LLY> 823.25(-6.52 -0.79%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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