円買い優勢、ドル円は一時146円台に突入 欧州株や米株先物が下落=ロンドン為替概況
円買い優勢、ドル円は一時146円台に突入 欧州株や米株先物が下落=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、円買いが優勢。米株先物が時間外取引で下落、寄り付き時は買われた欧州株も総じてマイナス圏に沈んでいる。米債利回りや独債利回りが低下しており、リスク警戒の動きが広がっている。今週は米金融当局者が金融政策などの発言を手控える「ブラックアウト期間」に入っている。また、12日の米消費者物価指数を控えたタイミングで、本日は目立った経済統計発表は無かった。トランプ関税の米国内への影響や中国物価統計の鈍化など景気動向への不透明感が市場の調整を誘った面も指摘される。ユーロに関しては米大手金融機関がユーロ圏成長予想を引き上げ、ユーロ圏投資家信頼感が予想以上に改善などの好材料があった。一方で、ドイツ機械受注で国内需要が低迷した。カジミール・スロバキア中銀総裁は、「インフレリスクは引き続き上向き」「利下げか一時停止か、オープンマインドでいるべき」と指摘。そして、「ドイツ緑の党、メルツ氏の債務パッケージ草案を支持しない意向」と報じられたことにユーロ売り反応がみられる場面もあった。ドル円は米債利回り低下とともに軟調に推移し、安値を146.87近辺に更新。昨年10月4日以来のドル安・円高水準となった。ユーロ円は振幅も、円買い圧力に押された安値を159円台割れへと広げている。ユーロドルは1.0875近辺から1.0805近辺激しく上下動している。米債利回りとおもに独債利回りも低下した。
ドル円は147円付近での取引。この日は東京朝方の147.99近辺を高値に、ジグザグとした値動きも円買いに押されている。東京市場で147円近くまで下落したあと、ロンドン朝方には147.80付近まで反発。その後は米債利回りの低下、欧州株や米株先物の下落などとともに売りに押されている。一時146.87近辺と今年に入ってからの安値を更新。昨年10月4日以来のドル安・円高水準となった。
ユーロドルは1.08台半ばでの取引。先週の上昇の流れを受けてきょうも1.08台の高値圏で売買が交錯している。ロンドン朝方に1.0805近辺まで反落も、その後1.0875近辺に高値を伸ばした。しかし、「ドイツ緑の党、メルツ氏の債務パッケージ草案を支持しない意向」と伝わったことを受けて再び1.0810台まで下落する場面があった。ただ、大台割れには至らず。ユーロ円はドル円の下落に押されて上値重く推移している。東京早朝の160.45近辺を高値に、売買が激しく交錯しながらも安値を158.90近辺まで広げた。対ポンドではロンドン序盤にユーロ買いも、その後は売り戻されている。
ポンドドルは1.29台前半での取引。東京午前の1.2946近辺を高値に、ロンドン序盤には1.2874近辺まで安値を広げた。しかし、売りも続かず1.29台に戻している。ポンド円は円買いに押されている。東京早朝の191.37近辺を高値に、ロンドン序盤には189.47近辺まで安値を広げた。その後の戻りは190円台前半までにとどまっている。ユーロポンドは0.8380から0.8417までのレンジで上に往って来いと方向性に欠けている。ポンド自体の材料は特段みられていない。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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