【これからの見通し】円高からドル高へ、材料ごとに方向性変化 米国ではNY連銀指数の発表
【これからの見通し】円高からドル高へ、材料ごとに方向性変化 米国ではNY連銀指数の発表
きょうは朝方の円高の動きから、ドル高へと流れが変化している。円高については昨日発表された日本のGDPが予想以上の伸びを示したことが日銀追加利上げ観測を広げていた。また、今週はタカ派で知られる高田審議委員の講演を控えていることも円買いにつながったようだ。
しかし、ウォラーFRB理事が「現時点で利下げを支持していない、インフレが落ち着くまで利下げ一時停止が望ましい」と述べたことをきっかけに、ドル買いの動きが広がっている。ドル円は151.24近辺まで一時下落も、東京午後には152.22近辺まで上昇している。
また、動きが目立ったのが豪ドルの底堅さ。きょうの豪中銀理事会では予想通り政策金利が25bp引き下げられた。4年ぶりの利下げをなった。しかし、ブロック豪中銀総裁は「インフレに対する勝利宣言まだできない、今回の決定は今後の引き下げを意味するものではない」としており、市場ではタカ派の利下げとの見方が広がっている。豪ドルは米ドルとほぼ互角の底堅さを示している。
材料ごとに素直な反応がみられているが、それだけに明確な相場の流れというものは見えにくい状況となっている。
この後の海外市場で発表される経済指標は、英ILO雇用統計(10-12月)、英雇用統計(1月)、スウェーデン消費者物価指数(CPI)(確報値)(1月)、スイス鉱工業生産指数(2024年 第4四半期)、フランス消費者物価指数(確報値)(1月)、ドイツZEW景況感指数(2月)、香港雇用統計(1月)、南アフリカ雇用統計(2024年 第4四半期)、カナダ消費者物価指数(CPI)(1月)、米ニューヨーク連銀製造業景気指数(2月)、米NAHB住宅市場指数(2月)、対米証券投資(12月)などが予定されている。
ドル相場の材料としてはNY連銀指数が注目される。市場予想は-2.0と、前回の-12.6からの改善が見込まれている。しかし、予想レンジは-10.0から+3.2と幅広く分散している。結果と予想中央値との乖離が大きくなりがちな指標として知られている。
発言イベント関連では、ホルツマン・オーストリア中銀総裁、ベイリー英中銀総裁、チポローネECB理事、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁、バーFRB副議長などの講演や討論会参加が予定されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
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執筆者 : MINKABU PRESS
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