【これからの見通し】円高やドル安が進行した週、週末の引け味を確認へ
【これからの見通し】円高やドル安が進行した週、週末の引け味を確認へ
今週は円高とドル安の動きが進行した。月末週に加えて週後半には米感謝祭休日があることから、前週までのドル高や円安の流れに調整が入りやすい環境となっている。トランプ関税が世界的な懸念材料となっているが、この週はトランプ氏とメキシコ大統領の会談が行われ、表面的ではあるものの敵対的な雰囲気は和らいだ。急落していたメキシコペソやカナダドルの下げは一服した。米政府と中国との半導体企業をめぐる対立も想定ほどの悪い事態にはならないとの楽観論もでた。また、イスラエルとヒズボラとの停戦が形式的にせよ成立したことも市場に安ど感を広げた。トランプトレードに突き進む動きは一休みとなっている。
ドル円の下げが目立っており、きょうは一時149円台まで下落した。週明けには154円台後半だったことから、5円近い大幅下落となっている。米FOMC議事録ではFOMC委員は段階的な利下げを幅広く支持していたことが明らかとなった。一方で、日銀に関しては12月利上げ観測が高まっている。石破首相が来年の春闘でも大幅な賃上げを実現することを支持した。また、きょうは東京都区部CPIの上振れ結果が、150円台割れの材料となっていた。日米金利差が縮小していく見通しがひろがっている。
そのような状況下で、本日は週末を迎えることとなる。今週の動きが単なる月末調整となるのか、円高を中心とした流れが継続してゆくのか、NY市場の引け味を確認しておきたい。
この後の海外市場で発表される経済指標は、トルコ実質GDP(2024年 第3四半期)、ドイツ小売売上高(10月)、フランス実質GDP(確報値)(2024年 第3四半期)、ドイツ雇用統計(11月)、ユーロ圏消費者物価指数(HICP・概算値速報)(11月)スイス実質GDP(2024年 第3四半期)KOFスイス先行指数(11月)、香港小売売上高(10月)、インド実質GDP(2024年 第3四半期)、南ア貿易収支(10月)、ブラジル雇用統計(10月)、カナダ実質GDP(2024年 第3四半期)など。
発言イベント関連では、デギンドスECB副総裁、ナーゲル独連銀総裁などがイベントに出席する。ECBユーロ圏消費者インフレ予想(10月)、英中銀金融行政委員会(FPC)議事録・金融安定報告などが公表される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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