ドル売り優勢もNY時間に入って一服 明日の米大統領選の結果待ち=NY為替概況
ドル売り優勢もNY時間に入って一服 明日の米大統領選の結果待ち=NY為替概況
きょうの為替市場はドル売りが優勢となっていたが、NY時間に入って、その動きも一服していた。ドル円は一時151円台に値を落としていたが、152円台前半に戻す展開。
市場は明日の米大統領選に焦点を集めており、その結果待ちの雰囲気が強かった。米大統領選の情勢は予想通りの接戦となっており、どちらが勝つかはなお未知数といったところ。週末の世論調査でハリス氏の優勢が示され、トランプ氏勝利の見方が若干後退。これがドル売りを誘発していたとの指摘も出ていた。
デモイン・レジスター紙の世論調査で、トランプ氏が過去の選挙戦でいずれも勝利しているアイオワ州で、ハリス氏がリードしているという。激戦州でも僅差で分かれている。ただし、市場が参照しているともされる賭け市場のPolyMarketでは、日本時間5日午前5時40分現在でトランンプ氏勝利の確率が58%、ハリス氏が42%となっている。市場も明日の米大統領選を受けてのボラティリティの高まりを警戒しているようだ。
また、今週はFOMCの結果が現地時間7日(木)に公表される。先週の米雇用統計で非農業部門雇用者数(NFP)が1.2万人増と予想外に弱い内容となったが、今回はハリケーンやボーイング<BA>のストの影響が強く反映されていた。市場もノイズと受け止めている。FRBも今回の米雇用統計を基調判断に使わないと見られており、市場では0.25%ポイントの利下げを確実視しており、0.50%ポイントの大幅利下げはないと見ている。
ユーロドルは買いが優勢となり、一時1.09ドル台まで上昇する場面も見られた。ただ、NY時間に入ると1.08ドル台に戻している。本日の200日線が1.0870ドル付近に来ているが、その水準を再び上回っていた。ユーロドルは10月23日の直近安値を底にリバウンド相場の兆候を見せ、200日線の水準まで回復して来ているが、今後については米大統領選を受けての反応次第の面が強い。
一方、市場はECBの利下げ期待を高めている。一部のアナリストからは、ECBは今回の利下げサイクルでターミナルレート(最終到達点)が2.00%に達するまで理事会ごとに0.25%ポイントずつ金利を引き下げるとの見方も出ていた。中立金利を1.50-2.50%のレンジ中央にあたると見積もっており、現在のECBの政策金利は3.25%であるため、連続利下げなら来年6月の理事会で2.00%に到達する計算ではある。
ポンドドルは1.30ドル手前まで買い戻される場面が見られたものの、NY時間に入って1.30ドル台を回復することなく伸び悩んだ。本日の21日線と100日線が1.30ドルちょうど付近に来ているが、その水準で上値を抑えられており、10月以降の下げトレンドはなお継続しているようだ。
英中銀は今週7日に金融政策委員会(MPC)を開催するが、先週のリーブス英財務相の秋季予算案に対する英中銀の評価がポンドをやや下支えする可能性があるとの指摘が出ている。英中銀の評価では、予算案で計画されている公的部門への歳出増により、利下げのペースが遅くなることが示唆される可能性があるという。僅かではあるが、それはポンドにとってプラスに働くだろうと指摘。また、今週のMPCでは0.25%ポイントの利下げが見込まれている。
なお、明日の米大統領選挙の結果が、英中銀の具体的なフォワードガイダンスに影響する可能性は低いとも述べている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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