【これからの見通し】米FOMC発表を明日に控えて、きょうの米小売売上高に注目
【これからの見通し】米FOMC発表を明日に控えて、きょうの米小売売上高に注目
あすはいよいよ米FOMC会合の結果が発表される。4年超ぶりの利下げ発表が期待されている。市場の関心は50bpか25bpか、その利下げ幅に集まっている。現時点でのCMEフェドウォッチでは50bpが67%、25bpが33%の確度となっている。最新の米雇用統計や米消費者物価指数などの重要指標発表を経た先週半ば時点では25bpが優勢だった。しかし、先週後半に有力FEDウォッチャーが「25bpか50bpか決めかねている」と発信したことで、週明けには50bp優勢に転じている。
現在は米金融当局者が発言を差し控える「ブラックアウト期間」に入っており、直接には当局者からの見通しが発信できない状況となっている。エコノミスト予想は現時点では、依然として25bp利下げが優勢。短期金融市場での織り込みは50bp対25bpが52%対48%程度と拮抗している。市場心理はかえって不安定になっているようだ。
そのような状況下で、本日の8月米小売売上高発表を迎える。市場予想は前月比-0.2%と前回7月の+1.0%からマイナスに転じる見込み。自動車除く前月比は+0.2%と前回の+0.4%からやや伸びが鈍化する予想。予想数値からのブレ度合いにドル相場を中心に敏感な反応がみられそうだ。
ただ、きょうの小売売上高が利下げ幅決定の決め手になるほどのものとも考えにくい。総合的な判断はすでに大方決まっているのではないだろうか。小売売上高の結果を受けた市場反応に対する揺り戻しが入る可能性も注意しておきたい。発表は日本時間午後9時30分の予定。
その他の経済指標発表は、ドイツZEW景況感指数(9月)、米鉱工業生産指数(8月)、米企業在庫(7月)、米NAHB住宅市場指数(9月)、カナダ住宅着工件数(8月)、カナダ消費者物価指数(CPI)(8月)などが予定されている。米鉱工業生産は前月比+0.2%と前回の-0.6%から改善する見込み。同時に発表される設備稼働率は77.9%と前回の77.8から上昇する見込み。米小売売上高とは逆に強含む予想となっている。
発言イベント関連ではシムカス・リトアニア中銀総裁が経済予測を公表する。ローガン・ダラス連銀総裁がイベント挨拶を行うが、金融政策および経済に関する発言はないはずだ。米20年債入札(130億ドル)が実施される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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