ドル円、146円台で推移 来週の閉会中審査での植田総裁の発言に注目も=NY為替
ドル円はNY時間かけて再び下値模索となり、146円台に下落している。ロンドン時間には買い戻しが膨らみ、148円台回復をうかがう展開が見られたものの、その手前で上値を抑えられた格好。朝方発表の7月の米生産者物価指数(PPI)が予想を下回り、インフレ鈍化を示したことから、為替市場はドル売りの反応が見られている。ドル円もストップを巻き込んで146円台に下落。
米PPIを受けて、9月FOMCでの利下げ観測がさらに強まっており、短期金融市場では0.50%ポイントの大幅利下げの可能性も再び高めている。前日は半分以下の確率だったが、現在は55%といったところ。
円相場に関しては、来週8月23日に衆参の両財政委員会が閉会中審査で植田日銀総裁から意見聴取する。鈴木財務相も出席の予定。先月のタカ派発言が市場の混乱の一因となったとの批判を受け、7月31日の利上げに関する質問を受ける可能性が高い。先月の利上げが円高と株価暴落を招いたとして日銀を批判した野党が主導したものである。
植田総裁は物価と成長の見通しが実現すれば、日銀は政策金利を引き上げ続けるとタカ派な見解を述べていたが、その後の市場のボラティリティの高まりを受けて、内田副総裁が「金融資本市場が不安定な状況で利上げをすることはない」などと発言し、軌道修正に動いていた。
閉会中審査で植田総裁が、決定会合通りに利上げに前向きな発言を行うのか、それとも中立を強調するのか、いつも以上に注目される。
USD/JPY 147.03 EUR/JPY 161.08
GBP/JPY 188.49 AUD/JPY 97.14
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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