広告を非表示にする
ad hide img

みんかぶプレミアム会員なら
広告非表示で利用できます

※サイトからのお知らせは除きます

【来週の注目材料】米利下げ見通しに向けて、物価動向に注目=米消費者物価指数(CPI)

為替 

【来週の注目材料】米利下げ見通しに向けて、物価動向に注目=米消費者物価指数(CPI)

 ここにきて米国の大幅利下げ期待が広がっています。
9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始が見込まれる中、直近の経済指標特に2日に発表された7月の米雇用統計の弱さを受けて、利下げ幅が0.25%ポイントではなく0.5%ポイントとになるとの見通しが強まっています。

 米国の政策金利は新型コロナの感染拡大(パンデミック)を付けて2020年に事実上のゼロ金利となる0.0-0.25%に低下。アフターコロナでの物価高もあり2022年3月に利上げを開始し、昨年7月に現行の5.25-5.50%となりました。
 ただ米国としてはかなり高い金利水準ということもあり、物価の鈍化と共に利下げ開始期待が広がり、昨年末時点では今年3月の利下げ開始を見込む動きとなりました。その後米景気、特に雇用市場に底堅さが見られたことや、鈍化していた物価の下げ止まりや小幅反発などの動きが見られたことで利下げ開始見通しが先送りされていき、9月の会合での利下げ開始が本線となっていきました。

 先月発表された6月の米消費者物価指数(CPI) は、前年同月比+3.0%と5月の+3.3%から鈍化。市場予想の+3.1%も下回りました。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコアCPIは前年比+3.3%とこちらも5月の+3.4%から鈍化。市場予想は+3.4%と横ばい見通しでした。前月比は-0.1%と5月の横ばいから鈍化。市場予想は+0.1%となっており、予想に反して4年ぶりに前月比マイナスとなっています。コアは+0.1%でこちらも5月の+0.2%から鈍化、市場予想は+0.2%の横ばいでした。

 この物価統計前までは9月FOMCの見通しは0.25%ポイント利下げが70%超と優勢ながら、20%台の据え置き見通しが残るという状況でした。このCPIの弱さを受けて据え置き見通しが後退。とはいえ0.5%ポイントの大幅利下げを見込む動きもごく少数で、0.25%ポイント利下げが大半という状況でした。

 7月末の時点でみると、88%が0.25%ポイントの利下げ12%が0.5%ポイントの利下げという状況でした。
この動きが一転したが2日の7月米雇用統計の弱さ。非農業部門雇用者数が前月比+11.4万人と市場予想の+17.6万人を大きく下回ったうえに、6月分が+20.6万人から+17.9万人に、5月分が+21.8万人から+21.6万人に下方修正されました。失業率は4.3%となり、6月の4.1%から悪化しました。今回の悪化を受けてサーム・ルールが発動したことも話題となりました。
※サーム・ルールは元FRBエコノミストのクラウディア・サーム氏が提唱した法則で、直近3カ月の失業率の平均が、過去12カ月で最も低かった水準と比べて0.5%ポイントを超えて高かった場合、景気後退(リセッション)となる可能性が高いというもの。

 この雇用市場の悪化を受けた米景気鈍化懸念から、市場では利下げに向けた期待を一気に強めました。ドル安が進み、ドル円が141円台を付けた5日の市場では、一部報道などを受けた緊急利下げ期待まで広がりました。30日、31日のFOMCにおいて全会一致での据え置きを選択した直後のタイミングで緊急利下げを行う可能性ほぼなかったのですが、そうしたうわさが出るほど市場の警戒感が広がっていたという証左でもあります。

 9月以降の大幅利下げ期待も強まり、2日の雇用統計後には76%が0.5%ポイント利下げ、24%が0.25%ポイント利下げとなり、0.5%ポイント利下げが大勢となりました。さらに5日の市場では85%が0.5%ポイント利下げ、15%が0.25%ポイント利下げと0.5%ポイント利下げが圧倒的多数という状況まで期待が進みました。

 さすがに期待先行という印象が強く、その後は0.25%ポイント利下げ期待が持ち直してきています。直近では66%が0.5%利下げ、34%が0.25%利下げという状況。銀行間の翌日物金利市場であるOISで見ると、50%対50%でほぼ拮抗という状況になっています。

 こうした状況が変化すると、相場にも大きな影響が出ます。
その一番の材料が14日午後9時半発表の7月米消費者物価指数です。
市場予想は前年比+3.0%と6月と同水準、コア前年比が+3.2%と6月の+3.3%から小幅鈍化見込みです。
前月比は+0.2%とプラス圏を回復の期待、コア前月比も+0.2%予想となっています。

 予想通りであればやや弱めも0.5%ポイント利下げを確定させるものではないという印象。
市場の注目は22-24日のジャクソンホール会議に移りそうです。

 リスクはやや弱く出た場合。0.5%利下げをコンセンサスとするうごきがひろがり、ドル売りとなる可能性が高そうです。

MINKABUPRESS 山岡

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

関連タグ

為替ニュース/コラム

一覧を見る

注目ニュース

新着ニュース

ad hide img

みんかぶプレミアム会員なら
広告非表示で利用できます

※サイトからのお知らせは除きます

ad hide img

みんかぶプレミアム会員なら
広告非表示で利用できます

※サイトからのお知らせは除きます

主要通貨レート

FX口座 カテゴリランキング

パートナーズFXnano 40

ドル円 0.0 銭(原則固定・例外あり)
ユーロ円 0.0 銭(原則固定・例外あり)
ポンド円 0.0 銭(原則固定・例外あり)

LINE FX 17

ドル円 0.2 銭(原則固定・例外あり)
ユーロ円 0.4 銭(原則固定・例外あり)
ポンド円 0.7 銭(原則固定・例外あり)

セントラル短資FX 14

ドル円 0.2 銭(原則固定・例外あり)
ユーロ円 0.4 銭(原則固定・例外あり)
ポンド円 0.6 銭(原則固定・例外あり)
FX口座 スプレッド比較

トライオートFX 56

ドル円 218
豪ドル円 118
トルコリラ円 47

GMOクリック証券 55

ドル円 214
豪ドル円 112
トルコリラ円 48

LIGHTFX 52

ドル円 217
豪ドル円 110
トルコリラ円 46
FX口座 スワップ比較

▶︎ 総合ランキングはこちら

直近24時間の重要経済指標

ad hide img

みんかぶプレミアム会員なら
広告非表示で利用できます

※サイトからのお知らせは除きます