【これからの見通し】世界的な株安局面で米雇用統計発表を迎える、市場反応に注意
【これからの見通し】世界的な株安局面で米雇用統計発表を迎える、市場反応に注意
足元の相場は荒れ模様だ。昨日のNY市場で発表された一連の米経済統計が予想外に弱含んだことを受けて、ハイテク株主導で米株式市場が全面安商状となった。半導体大手インテルは時間外取引で2割安となった。今日の東京市場も日経平均が5.8%安、TOPIXが6.1%安と記録的な下落率となっている。
そのなかでドル円相場も上値重く推移している。ただ、本日これまでのレンジは148.80付近から149.80付近までの約1円レンジにとどまっている。株式市場の荒れ具合と比較すると、ドル円は今週の急落の動きからは落ち着きつつあるようだ。急激な株安の動きを目の当たりにして、日銀の10月追加利上げ観測などもややトーンダウンしているようだ。きょうは株式相場をにらんだ展開となろう。
この後の海外市場では7月米雇用統計発表が注目イベントとなる。最も注目度の高い非農業部門雇用者数は17.5万人増の予想となっている。前回の20.6万人増からはやや伸びが鈍ることが想定されている。ただ、市場予想から乖離した結果が出ることも多いだけに、この指標は結果次第だ。失業率は4.1%と前回並み水準となる見込み。賃金については、平均時給は前月比+0.3%と前回並み、前年比は+3.7%と前回の+3.9%から伸びが鈍化する見込み。
市場反応には注意が必要だ。通常であれば結果の強弱に米債利回りが素直に反応し、ドル相場主導の展開となりやすい。しかし、足元の相場がリスク回避に傾くなかで、市場心理はパニック的になりやすい。昨日の米ISM製造業景気指数が弱含んだことが景気後退を連想させたような事態が再燃する可能性も留意したい。雇用統計がサプライズ的な弱さを示す場合、米景気がソフトランディングではなく、ハードランディングの恐れとの極端な見方が出る可能性が指摘される。この場合は、円買い・ドル買いのリスク警戒反応が広がる可能性がありそうだ。逆に、結果が強含んだ場合には、米経済の足腰はしっかりしているとの安心の反応も想定しておきたい。
米雇用統計発表後には、製造業新規受注(6月)、耐久財受注(確報値)(6月)などの米経済指標が発表される。発言イベント関連では、グールズビー・シカゴ連銀総裁とバーキン・リッチモンド連銀総裁がTV番組に出演する予定。米企業決算は、シェブロン、エクソンモービルが注目される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
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執筆者 : MINKABU PRESS
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