【本日の見通し】イベントクリア、ややドル高方向意識
【本日の見通し】イベントクリア、ややドル高方向意識
注目された米消費者物価指数(CPI)の伸びが予想を下回ったことで、一時大きくドル売りとなったが、FOMCを受けて買い戻しが入った。四半期に一度FOMCで示されるFOMCメンバーによる経済見通し(SEP)において、今年の物価見通しが引き上げられ、年末時点での各メンバーの政策金利見通しをドットで示したドットプロットでは前回の年3回利下げから年1回が中央値に修正された。市場では1回か2回かでどちらが中央値になるか見方が分かれていたが、CPIを受けて2回が主流派になるのではとの期待が見られた(ドットプロットは当日昼前まで予想の更新可能で、当日の物価データを見て更新するケースがある)。結果は19名中8名と最も多い人数が2回を予想したものの7名が1回、3名が据え置きとなっており、中央値は1回となっている。物価見通し引き上げと合わせ、市場の見通しも年1回に寄ってきており、ドル買いにつながった。
今週注目された二つのイベントをクリアして、この後となるが、年複数回利下げ見通し後退の影響もあり、流れはややドル高方向か。欧州、特にフランスの政治情勢への警戒でユーロ売りドル買いが出やすい地合いも流れにつながると見られる。ドル円は157円台回復を意識する展開が見込まれる。ただ、今日、明日の日銀金融政策決定会合への警戒が上値を抑える可能性がある。一部で国債買い入れ減額期待が見られる。ただ、今回の会合で議論が始まるとしても、決定まで至るかは難しいところ。見送りとなった場合、ドル高円安に拍車がかかる可能性がある。ドル円は上を意識する展開が続きそう。
ユーロドルは米CPIを受けて1.07台から1.0850前後まで上昇。FOMC後のドル買いも1.08台を維持している。流れ的には1.08を割り込む動きが見込まれるところ。いったん下値を支えている1.0800前後での買いがどこまで出てくるか。
ユーロ円はドル主導の展開でやや難しい流れ。ドル円の堅調地合いに支えられ、169円台での推移が中心となりそう。
MINKABU PRESS 山岡和雅
執筆者 : MINKABU PRESS
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