ドル円は147円台まで上げ幅拡大 早期利下げ期待後退でドル買い強まる=NY為替概況
ドル円は147円台まで上げ幅拡大 早期利下げ期待後退でドル買い強まる=NY為替概況
きょうのNY為替市場はドル買いが優勢となる中で、ドル円は147円台まで上げ幅を拡大している。1カ月ぶりの高値水準を更新。ウォラーFRB理事が「インフレ再燃しなければ、今年の利下げ可能」と述べる一方で、「以前ほど迅速に利下げしたり急いだりする理由ない」と述べたことも、ドル円を押し上げている模様。
本日は米国債利回りが上昇するなど、市場は早期利下げ期待を後退させている。市場は少し先走り過ぎたとの指摘が出ているほか、米国債利回りは当面、現行水準から低下することはないと思われるといった声も聞かれる。
市場は年内に計6回以上の利下げを見込んでいるが、深刻なリセッションにでも陥らない限り、その可能性は低いと見られおり、深刻なリセッションの確率は25%程度との見解も出ていた。
先週末のドル円は節目の145円を再び割り込んでいたが、早期にその水準を回復している。145-150円へのレベルシフトへの期待が再び高まっている。目先は維持できるか注目されそうだ。
ユーロドルは売りが強まり、1.08ドル台に下落している。前日までは21日線付近を維持し、1.09ドルが強いサポートとして機能していたが、きょうの下げで21日線を下放れる展開も見られており、1.08ドル台半ばに来ている200日線を試しそうな気配も出ている。
きょうはスイスでダボス会議が行われ、それに伴ってECB理事の発言も複数伝わっていたが、ビルロワドガロー仏中銀総裁は、「ECBは今年利下げに踏み切る可能性が高いが、時期は未定」と述べていた。インフレとの闘いでの勝利宣言は時期尚早だが、ECBは今年利下げを実施する可能性が高いという。
ユーロ圏も米国も、景気後退は回避するソフトランディングを予想している。コアインフレが着実に低下していることから、エネルギーショックから財・サービスへの波及が防止され、インフレ期待がうまく固定されていることがうかがえるなどと述べていた。
ポンドドルは売りが強まり、1.26ドル台前半に下落。きょうの下げで21日線を下放れる展開が見られており、明日以降の動きが警戒される。目先は1.26ドルが強いサポートとして意識されるが、その水準をブレイクし、200日線が控える1.25ドル台半ばの水準を試すか注目される。
本日は英雇用統計が発表され、9-11月の賞与を除く英週平均賃金は前年比6.6%と前回から低下していた。ポンドはやや売りの反応を見せていたが、平均賃金上昇率は鈍化はしたものの、インフレを上回って推移しており、失業率も4.2%で低位安定している。労働者にとっては朗報だが、英中銀による早期利下げを妨げる可能性がある。
*英週平均賃金(9-11月平均)
結果 6.5%
予想 6.8% 前回 7.2%
結果 6.6%
予想 6.6% 前回 7.2%(7.3%から修正)(除く賞与)
*失業率(参考値):4.2%
失業者数:146万人
雇用増加数:7万3000人増
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。