ドル売りが優勢でドル円は148円台に伸び悩む 上値追いのセンチメントは後退=NY為替概況
ドル売りが優勢でドル円は148円台に伸び悩む 上値追いのセンチメントは後退=NY為替概況
きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となり、ドル円は148円台に伸び悩んだ。先週は感謝祭に向けてドル円は買い戻しも見られていたものの、節目の150円に到達することなく失速する展開。再び先週の安値147円付近を試す展開になるか注目される。
FRBについての市場の見方に変化はなく、利上げサイクルはすでに終了、来年第2四半期以降の利下げを織り込んでいる。場合によっては3月の利下げ開始の可能性が23%程度で織り込まれている状況。
市場からは、為替市場は来年にかけてドル安との見方も増えつつあり、ドル円もこれまでのような積極的な上値追いのセンチメントは後退しているようだ。市場からは円ショートポジションがなお高水準で推移しており、ドル円の下げが強まった場合、円のショートカバーが加速する可能性も指摘されている。
ユーロドルはNY時間に入って伸び悩む動きが見られ、一時1.09ドル台前半に値を落とした。特にリバウンド相場の流れに変化はないが、心理的節目の1.10ドルを前に一旦戻り売りが出ていたようだ。ただ、終盤には1.09ドル台半ばに買い戻されている。
本日はラガルドECB総裁の議会証言が行われていた。ECBが保有している債券のうち、1.7兆ユーロ規模に積み上がっているパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)について注目が集まっているが、ECBは少なくとも2024年までの再投資継続にコミットしている。ただ、一部のECB理事からは見直すべきとの主張も出ており、ラガルド総裁もそのコミットの見直しをまもなく協議する可能性に言及していた。
ポンドドルはリバウンド相場の流れを継続してはいるものの、本日は上げ一服となり、1.26ドル台前半での上下動に終始した。今週はポンド関連の重要な経済指標も少なくドルの値動きに左右されそうだ。ベイリー英中銀総裁は、市場で高まっている来年第2四半期からの利下げ観測を完全に否定し、当面利下げはないと主張している。インフレはまだ道半ばにあり、ここから2%に至るのはピークからここまで鈍化するのに比べて遥かに大変であろう。
また、一部からは英経済の見通しは予想以上に良好な可能性が指摘されている。先週発表された消費者調査では11月の消費者信頼感が大幅に改善していた。寒波、エネルギー価格上昇、地政学は消費者に何らかのリスクをもたらすが、経済が一部で懸念されているほど苦戦しておらず、その場合、市場が期待しているほど英中銀は早急な利下げに踏み切らない可能性もあるという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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