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為替相場まとめ5月29日から6月2日の週

為替 

  29日からの週は、ドル高が一服。6月米FOMCに関する市場の見方が、据え置きに傾いたことが背景。2名のFRB高官が利上げの一時停止を示唆したことがインパクトを与えた。金曜日の米雇用統計に注目が集まるなかで、米ISM製造業景況指数の低下や単位労働費用・確報値の下方改定なども米債利回り低下とともにドル売り圧力となった。また、週後半には懸案となっていた米債務上限問題については議会で法案が通過しており、デフォルト回避が確実となったことがリスク警戒のドル買い圧力を軽減させた面があった。ドル円は週央に一時142円手前まで買われたが、財務省・金融庁・日銀による三者会合が開催されると138円台へと反落。介入示唆などの強いメッセージはなかったが、円安けん制に一定の効果はあったようだ。ユーロに関してはインフレの伸びが鈍化したが、その後のラガルドECB総裁の発言ではインフレは高すぎるなどとして追加緩和の必要性が指摘された。同様に追加利上げ観測が根強いポンドとともにユーロも買われて、側面からドル売り圧力を広げた面があった。注目の米雇用統計は強弱まちまちの内容となり、非農業部門雇用者数(NFP)は33.9万人増と予想を上回り、労働市場の力強さを示したが、失業率は3.7%に大幅上昇し、平均時給も落ち着きを示した。 きょうの米雇用統計はFRBのもう一段の追加利上げが正当化される内容ではあるが、6月については一旦停止し、ひとまず様子見というシナリオを市場は有力視している模様。短期金融市場での6月据え置きの確率は現時点で65%程度で見ている。市場はむしろ、7月利上げの可能性にシフトしているようで、確率は現時点で75%程度で見ている状況。翌日物金利スワップ(OIS)市場では7月までの0.25%ポイントの利上げを現時点で80%まで織り込む動き。


(29日)
 東京市場は、一時ドル円が買われた。週末に、米バイデン大統領と、共和党のマッカーシー下院議長は、債務上限の引き上げについて27日に原則合意。さらに28日にも電話協議を続け最終合意となった。31日に両院議会で可決されれば、債務上限問題は来年の大統領選後まで問題になることはない。ドル円は、朝方に140.92近辺まで高値を伸ばした。しかし、その後は売りが優勢に。英国、米国と祝日で休場となっており、参加者が少ない中で、高値でのドル買いに慎重な姿勢が見られた。午後には140.30付近へと下落。ユーロ円はドル円の上昇に一時151.07近辺まで買われたが、その後は150円台へ反落。 ユーロドルは1.07台前半での推移。週末の大統領選決選投票で現職のエルドアン大統領が勝利したことを受けて若干リラ売りが出ており、ドルリラは20.04台での推移。

 ロンドン市場は、やや調整の動き。ドル円やクロス円の上値が重く、ドル相場は方向性に乏しく振幅している。週末の米政府と共和党との協議で債務上限問題で原則合意したことが市場の警戒感を落ち着かせたほか、次の注目イベントである米雇用統計を金曜日に控えていることで、目先は手掛かり難となっている。加えて、英国がスプリング・バンク・ホリデー、米国がメモリアルデーのため休場となっており、取引は不活発。ドル円はロンドン午前には140.20付近へと下押しされている。クロス円も軟調で、ユーロ円は東京朝方の151.07近辺を高値に足元では130.24近辺まで下落。ユーロドルは1.07台で上に往って来い。ユーロは対ポンドなどでも上値が重い。週末のスペイン統一地方選での与党勢力が大敗を受けて、サンチェス首相が7月23日の総選挙を実施すると表明した。経済統計などの材料がない中で、ユーロ売りにつながった面も。エルドアン大統領が再選されたトルコではリラ安・株高となっている。

 NY市場はメモリアルデーのため休場。

(30日)
 東京市場は、ドル相場が振幅。ドル円は買いが先行し、140.50超えへ上昇。その後は米債利回り低下とともに140円台割れ。午後には再び買われて140.60台に高値を伸ばした。ユーロドルは上値重く推移も1.0700手前の買いが下値を支えた。しかし、午後には1.07台割れからストップ注文を巻き込んで1.0680台へと下落した。中国売りの動きが見られ、ドル人民元は年初来高値を更新する7.0980元台までドル高・元安が進行した。オフショア人民元は7.1095付けている。ドル高の流れと、中国売りからのオセアニア通貨も売られ、豪ドル/ドルは0.6550付近から0.6500近くへと下落した。

 ロンドン市場は、ドル高が一服。東京市場からのドル買いの流れが一巡したあとは、米債利回りの低下とともにドル売りが優勢に。ドル円はロンドン早朝に140.93近辺と前日高値をわずかに更新した。しかし、財務省・金融庁・日銀の情報交換会合が開催されるとの報道に140円台前半に急落。神田財務官は、為替動向を注視し必要あれば適切に対応すると表明した。ただ、具体的な水準に言及せず、変動幅が重要との認識を示したことで、市場は市場介入への切迫したムードは感じ取らなかったようだ。一時140円台後半へと買い戻された。しかし、米債利回り低下とともに全般的にドル売りが優勢となるなかで140円手前まで軟化。ユーロドルは下に往って来い。序盤に1.0673近辺まで下押しされたあとは上昇に転じると高値を1.0736近辺に更新。ポンドドルも1.2327近辺まで下げたあとは上昇に転じて高値を1.2430付近に伸ばしてきている。ユーロ売り・ポンド買いのフローが入っている。この日発表された5月スペイン消費者物価指数の伸びが予想以上に鈍化したことがユーロ売り圧力となった面も。ポンド円が173円付近を安値に174円台乗せへと高値を更新する一方で、ユーロ円は149.75近辺から150.60付近で下に往って来いの動きにとどまっている。

 NY市場は、ドル買いが一服。ドル円は139円台へと反落している。ユーロドルは下げ一服となって1.07台を回復。ポンドドルは1.24台に乗せた。米債務上限問題の不透明感が払しょくされつつあるなか、市場は米利上げ動向に視線を戻しているようだ。市場は6月13、14日のFOMCでの利上げ確率を60%程度で見ている。追加利上げを見込んではいるものの、確信までには至らない状況。7月FOMCまでであれば、1回ないしは2回の利上げの可能性を75%程度で見ている状況。なお、6月、7月の連続利上げの可能性は20%程度。いつもの通りに経済指標次第といった雰囲気で、その意味では金曜日の米雇用統計、そして、FOMC結果発表前日13日の米消費者物価指数(CPI)を確認したい意向も強い。現時点ではどちらの指標の予想も前回から若干の低下が見込まれている。ECBについて、市場は6月、7月の追加利上げを見込んでいる。一部からは、英中銀が追加利上げに踏み切るようであれば、ポンドは恩恵を受けるとの指摘が出ている。
 
(31日)
 東京市場は、リスク警戒の動きが広がった。中国製造業・非製造業PMIが弱い結果だったことで、朝から中国売りの動きがみられた。午後に入ると、アジア株全体の下げや日経平均の一時500円を超える下げ、ダウ平均先物の100ドル超の下げなどから、リスク警戒の動きが広がった。ドル円は139円台後半で推移したあと、午後には139.30台まで下落。クロス円も円買いに押され、ユーロ円は149円台割れ、ポンド円は172円台後半へと下落。中国売りで資源国通貨が弱い。NZドルは対ドルで0.60台割れに。豪ドルは月次CPIが強かったことで売買が交錯、NZドルほどは下げていない。対円では84円台半ばから83円台後半に軟化した。

 ロンドン市場は、ドル買い圧力が継続も、円買いは一服。ドル円は朝方に一時139.32近辺まで安値を広げた。しかし、ロンドン時間に入るとドル全面高となるなかで140.06近辺まで高値を伸ばす場面があった。欧州株は売られているものの、次第に下げ幅を縮小しており、悲観的なムードはやや落ち着いている。フランス消費者物価指数が予想以上の鈍化を示したことで、ECBの追加利上げ観測の矛先がやや鈍ったことが影響した面も指摘される。ユーロドルは1.07台を下回っており、序盤には1.0659近辺まで下落。その後は1.06台後半で下げ一服。ユーロ円は149円台半ばを割り込むと一時148.86近辺に安値を更新、その後はドル円の反発とともに149.50付近まで買い戻されている。ただ、米債利回りが低下するなかでのドル買いとなっており、リスク警戒圧力は根強い。ポンドドルは1.23台半ば、豪ドル/ドルは0.64台後半の安値圏で底這い状態となっている。一連のECBメンバーの発言では、インフレの根強さに対応が必要であることを示しつつも、経済にショックを与えないようなやり方を模索していることが示されていた。

 NY市場では、ドル買い先行も、午後にはドル売りが優勢となった。午後になって伝わった2名のFOMC委員の発言で、FRBが6月利上げを見送る可能性が再浮上しており、ドル売りが強まった。短期金融市場では据え置きの確率が一気に70%まで高まっている状況。ジェファーゾンFRB理事とハーカー・フィラデルフィア連銀総裁の発言が伝わり、ともに6月利上げを見送るべきとの考えを示唆した。ただ、利上げサイクルの終了は意味しないとの考えも示している。来週から6月14日のFOMC結果発表まで委員が発言を控えるブラックアウト期間に入る。その直前での発言でもあり、市場も敏感に反応している面もありそうだ。ドル円は朝方の米求人件数が強かったことで一時140.40付近まで買われたが、午後には139円台前半へと下げ幅を拡大。ユーロドルは1.06台前半まで下落したあとは、1.06台後半へと反発。ポンドドルは1.23台後半で売買が交錯したあと、午後には1.2440付近まで上昇した。先週の英消費者物価指数(CPI)の発表以降、市場は英中銀の利上げ期待を高めており、今後4回の政策委員会(MPC)で25bpずつの利上げを行うと予想している。

(1日)
 東京市場では、ドル円が堅調。前日海外市場でのドル売りの流れを受けて、東京朝方には一時139円台割れとなる場面があった。その後は一転して買われ139円台半ばへと上昇。午後には米10年債利回りの上昇や日経平均の堅調な推移とともに一段高となり139.72付近に高値を更新した。朝に148.63付近まで弱含んだユーロ円は、昼前には149.19付近まで上昇。午後は149円ちょうど付近から前半で小動きとなった。ユーロドルは午後に一時1.0673前後まで弱含んだ。豪ドルは上昇。午前の中国財新PMIの好調な結果を受けて、対中輸出の大きい豪ドルが買われ、豪ドル円は90.99付近まで、豪ドル/ドルは0.6520付近まで上昇した。

 ロンドン市場は、ドル売りが優勢。ユーロドルは1.0660付近まで下押しされたあとは、上昇に転じると1.0715近辺に高値を伸ばしている。ポンドドルも1.24付近まで下げたあとは1.2470付近に高値を更新。ドル円は140円手前まで買われたあとは、139.50台へと反落している。欧州株の反発とともに米10年債利回りは3.68%台まで上昇したが、その後は3.66%台と上昇一服。この日の中国財新製造業PMIの改善を受けてリスク警戒の動きが後退し、クロス円は堅調。ユーロ円は149.70付近、ポンド円は174円台乗せまで買われている。リスク動向とともに米欧などの金融政策の差異が注目された面も。前日NY市場では複数のFRB高官が6月FOMCでの利上げ休止を示唆し、市場では据え置き織り込みが6割に上昇。一方で、今日のユーロ圏消費者物価速報は伸びが鈍化したものの、ラガルドECB総裁のインフレ抑制姿勢には変化はみられず、目標水準に戻すまでは追加引き締めを続けることが確認されている。英中銀に関する市場の見方も利上げ継続となっており、米国と英欧の金融当局の利上げ姿勢の熱度の差がユーロドルやポンドドルを押し上げた面があったようだ。

 NY市場では、引き続きドル売りが優勢。朝方発表のADP雇用統計が強い内容となったことで買い戻しが強まる場面が見られたものの、動きが一巡すると、再び売りが優勢となる展開。この日のISM製造業景気指数が弱い内容だったこともドルを圧迫した。明日の米雇用統計の結果待ちの雰囲気が強い中、前日のFOMC委員の発言で、今月の追加利上げ期待が一気に後退しているほか、米下院で債務上限法案が通過したことで、デフォルト(債務不履行)回避への安心感も広がり、ドルは売られやすい状況となっているようだ。短期金融市場では、今月のFOMCでの据え置きの確率を75%超で見ている。ドル円は一時138.50割れ水準まで下落。その後も138円台後半にとどまった。ユーロドルは1.07台半ばへ一段と上昇。ポンドドルも買われ、1.25台乗せから1.25台半ばに迫る動きとなった。

(2日)
 東京市場は、米雇用統計待ちで目立った方向性みられず。ドル円は138.80台で東京朝を迎えると堅調な株式動向を受けて139円台に上昇する場面があった。しかし、市場では今月の米FOMCでの金利据え置き期待などもあってドル高には慎重な姿勢がみられた。昼過ぎには138.60台へと反落。午後には再び139円付近まで上昇。香港株が急騰して一時700ポイント近い上昇。日経平均も一時31500円超えに。ユーロドルは雇用統計待ちで動意なく推移、朝からのレンジは1.0758-1.0770のわずか12ポイント。動きがやや目立ったのが豪ドル。中国人民元の大幅高や、午前に豪労使協定機関が発表した最低賃金引き上げを受けて、物価上昇見通しが広がったことで、年内あと2回の利上げ期待が強まったことなどが豪ドル買いを誘った。豪ドル/ドルは朝の0.6560台から06610台まで上昇。

 ロンドン市場は、米雇用統計発表待ちで模様眺めとなっている。昨日の海外市場ではドル売りが強まり、きょうはその水準を踏襲しての揉み合いとなっている。今週は複数の米FRB高官が6月FOMCでの利上げ一時休止を支持しており、短期金融市場では据え置きを織り込む動きが優勢になっている。また、懸案となっていた米債務上限問題についても上下院で法案が通過しており、デフォルトの危機は去っている。株式市場にとっては好材料が相次いでおり、欧州株や米株先物・時間外取引は堅調に推移している。利上げ観測が再燃していう豪ドルが小幅に高値を伸ばしたほかは、ドル円は138円台後半、ユーロドルは1.07台後半、ポンドドルは1.25台前半など前日からのドル安圏で揉み合っている。クロス円は東京市場でやや買われたあと、ロンドン時間には高止まり状態となっており、取引動意は薄い。

 NY市場はこの日発表の米雇用統計を受けてドル買いが優勢となり、ドル円も買い戻しを強めた。一時140円台に上昇。米雇用統計は強弱まちまちの内容となり、非農業部門雇用者数(NFP)は33.9万人増と予想を上回り、労働市場の力強さを示したが、失業率は3.7%に大幅上昇し、平均時給も落ち着きを示した。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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