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歴史的な動きとなった2022年を振り返る

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歴史的な動きとなった2022年を振り返る

 2022年もあと残り数時間となりました。本年中は誠にお世話になりました、2023年もどうかよろしくお願いします。

 2022年のドル円は1月24日の113円47銭から10月21日の151円95銭まで38円48戦の値幅となりました。これはリーマンショックの影響を受けた2008年の25円7銭、アジア通貨危機やLTCMショックのあった1998年の35円81銭を超え、プラザ合意後の円高が進んだ1986年以来の大きさとなりました。
 しかも今年の場合は上昇だけではありませんでした。日本銀行による24年ぶりとなる円買い介入や、12月日銀金融政策決定会合後の円高進行などにより、上昇分の半値を超える下落と、年の終わりまで激しい動きとなりました。

 この激動の2022年、ポイントを挙げると「世界的な物価高の進行」となります。
2020年春に広がった新型コロナの世界的な感染拡大(パンデミック)を受け、多くの国・地域の政策金利がマイナスやゼロ、ゼロ近傍まで低下するなど、世界的な金融緩和が進みました。その結果として生じた流動性の拡大と、2021年以降、世界的な感染拡大が落ち着く中での需要の拡大、一方で半導体などの生産の遅れからくるサプライチェーン問題による、需給バランスの歪みが、世界的な物価高につながっていきました。
また2022年2月に起きたウクライナへのロシアによる軍事侵攻が、その後も継続する中で、世界的なエネルギー価格の上昇が起きたことも物価をさらに押し上げました。

米国の消費者物価指数(CPI)は6月に前年比9.1%と約40年半ぶりの水準まで上昇。インフレターゲットの対象であるPCEデフレータは同月前年比6.8%、食品とエネルギーを除いたコアデフレータは4.8%と、ともにターゲットの2%をはるかに超えるところまで上昇しました。
英国のCPIは11月に約41年ぶりとなる前年比11.1%、ユーロ圏のCPIは10月に10.6%とユーロ圏として統計で遡れる1997年以降で最高水準を記録と、欧州ではピークが遅れる形で歴史的な上昇を見せています。

こうした世界的な物価高進行を受けて、2021年秋のノルウェーやNZから世界的に利上げの動きがスタート。主要四通貨(ドル・円・ユーロ・ポンド)では2021年12月にイングランド銀行(中央銀行)が最初に利上げに踏み切りました。2022年3月には米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げをスタート。7月には欧州中央銀行(ECB)も利上げを開始し、主要四通貨の中で日本だけが緩和姿勢を維持しました。

米FRBは5月の0.5%利上げを経て、6月から4会合連続での0.75%利上げを実施しました。米国の0.75%利上げは1994年11月以来約27年半ぶりとなります。通常の利上げ幅である0.25%の3倍にあたる大幅利上げを4会合続けるという異常事態でした。
ECBは7月にいきなり0.5%で利上げをスタート。その後9月、10月と二会合連続で0.75%利上げを実施、英中銀も11月に0.75%利上げを実施しています。こうした米・欧・英の大幅利上げに対して、日銀は長短金利操作(YCC)付き量的・質的緩和を継続したことが、10月までの大幅なドル高円安につながりました。

しかし、物価がピークを迎え、水準的にはまだまだかなり高いものの、落ち着きを少しずつ取り戻してくる中で、状況が変化してきています。12月の主要中銀の金融政策会合は、FRB、ECB、英中銀が利上げ幅を0.5%に縮小。2023年中とみられる利上げ終了に向けた動きが広がっています。

一方、日銀は12月の会合で予想外にYCCの修正に動きました。長期金利である10年国債利回りの変動許容幅を従来の±0.25%から±0.5%に拡大しました。日銀は声明の中で市場機能が低下していることに対応したものと示し、黒田日銀総裁は会合後の会見で市場のゆがみを改善するもので「利上げ」ではないと明言しました。しかし、市場は事実上の利上げと捉え、2013年から長く続く日銀の緩和政策の転換点に向かっていると認識しています。

 2022年を象徴する物価高とそれに対応する中銀の姿勢に変化が生じつつある2022年の終わり。来年こうした状況がどのように変化していくのか。状況次第で大きな動きが出ることが予想されます。2022年同様に活発な2023年の相場動向を見込んでいます。

MINKABU PRESS 山岡和雅

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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