ペイパルは見通し下方修正も、ガイダンスのリセットはプラスとの見方=米国株個別
決済サービスのペイパル<PYPL>が上昇。前日引け後に1-3月期決算(第1四半期)を発表し、営業収益は予想を上回ったものの、1株利益は予想範囲内となった。また、アクティブ顧客アカウント数は予想を上回った一方、総取扱高は3230億ドルと予想を若干下回った。ガイダンスも公表し、通期の営業収益、1株利益ともに下方修正した。
シュルマンCEOは「マクロ環境は悪化しており、ウクライナ情勢および中国の要因が世界的な不確実性の拡大やインフレ加速とサプライチェーン圧力の高まりにつながっている」と述べた。
ただ、株価は上昇。同社は業務の簡素化に焦点を当て、コスト削減と利益押し上げに取り組むと表明したことが好感されている模様。アナリストからは、ガイダンスは下方修正されたものの、ガイダンスのリセットは株価にとってはプラスに働き、将来のアウトパフォームへの道筋がより明確になるとの指摘が出ている。投資家はもっと悪い内容を見込んでいたようだとも言及。
しかし、今回の決算を受けてアナリストからは目標株価の引き下げが相次いでいる。
(1-3月・第1四半期)
・1株利益(調整後):0.88ドル(予想:0.88ドル)
・営業収益:64.8億ドル(予想:64.0億ドル)
・アクティブ顧客アカウント数:4.29億件(予想:4.27億件)
・アクティブ顧客アカウント増減数:240万件(予想:320万件)
・支払取引件数:51.6億件(予想:50.8億件)
・営業利益率(調整後):+20.7%(予想:+20.4%)
・総取扱高:3229.8億ドル(予想:3231.3億ドル)
ベンモ取扱高:578億ドル(予想:663.6億ドル)
(4-6月・第2四半期)
・1株利益(調整後):約0.86ドル(予想:1.12ドル)
・営業収益:9%(予想:13.6%)
(通期見通し)
・1株利益(調整後):3.81~3.93ドル(従来:4.60~4.75ドル)(予想:4.62ドル)
・営業収益:11~13%増(従来:15~17%増)(予想:15.3%増)
イーべイ除く:15~17%増(従来:19~21%増)
・総取扱高:13~15%(従来:19~22%)(予想:18.5%)
(NY時間10:11)
ペイパル<PYPL> 86.09(+3.48 +4.21%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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