ダウ平均は反落 SWIFTからの排除など新たな経済制裁に警戒感=米国株前半
NY株式28日(NY時間13:11)
ダウ平均 33760.33(-298.42 -0.90%)
ナスダック 13691.43(-3.19 -0.02%)
CME日経平均先物 26675(大証終比:+115 +0.43%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は反落。週末にウクライナ危機を受けて西側諸国がロシアの一部銀行を国際決済ネットワークであるSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除する新たな経済制裁を発表した。また、ロシアの6300億ドルにおよぶ外貨準備の運用も制限し、市場は再びリスク回避の雰囲気を強めている。
ダウ平均は一時538ドル安まで下落する場面が見られたものの、売り一巡後はIT・ハイテク株中心に買い戻しも見られ、ナスダックは一時プラスに転じたほか、ダウ平均も下げ渋る場面が見られた。
ただ、上値は重い。プーチン大統領が報復措置の一環として、ロシア居住者全員を対象に、外債向けを含む外貨の国外送金を禁じた。
市場からは、投資家は経済制裁の潜在的影響を消化しようとしており、それは軍事衝突が大きくなる可能性よりも、投資家の考えを支配しているとの見方も出ている。また、ウクライナ危機で原油価格が急騰しており、インフレをさらに曇らせ、経済の逆風も強まることから、FRBの政策ミスのリスクが高まっているとの指摘も出ている。
エネルギー株と防衛関連株が上昇。一方、シティグループ<C>をはじめとした大手銀株の下げが顕著。シティグループについては、12月末時点のロシア資産に対するエクスポージャーの総額は54億ドルと発表。また、ロシアにおける第三者へのエクスポージャーは12月末現在で82億ドル近くに上る。米証券取引委員会(SEC)への提出書類で明らかにした。
防衛関連株については、EU諸国から防衛費増額が打ち出されており、米防衛関連企業も恩恵を受けるとの見方が広まっている。ドイツのショルツ首相は前日、ドイツ連邦下院で演説し、国防費をGDP比2%以上へと大幅に引き上げる方針を表明。長年抑制してきた防衛費を大幅に増やす姿勢を示した。
航空株が下落。ウクライナ情勢の悪化を受けて下落している。EUやカナダがロシアからの航空機の受け入れを停止したほか、ロシアが36カ国の航空会社に対して領空通過を禁止した。
個別に銀行のファースト・ホライズン<FHN>が大幅高。カナダの大手トロント・ドミニオン銀(TD)<TD>が134億ドルで買収することで合意した。
再生可能エネルギーのリニューアブル・エナジー<REGI>が大幅高。シェブロン<CVX>が31億ドルで買収することで合意した。
ファースト・ホライゾン<FHN> 23.50(+5.25 +28.74%)
トロント・ドミニオン銀行<TD> 80.82(-1.61 -1.95%)
リニューアブル・エナジー・グループ<REGI> 61.50(+17.69 +40.38%)
シェブロン<CVX> 142.37(+1.99 +1.42%)
シティグループ<C> 59.51(-2.47 -3.99%)
アップル<AAPL> 164.73(-0.12 -0.07%)
マイクロソフト<MSFT> 296.42(-0.89 -0.30%)
アマゾン<AMZN> 3056.13(-19.64 -0.64%)
アルファベットC<GOOG> 2685.13(-5.26 -0.20%)
テスラ<TSLA> 869.13(+59.26 +7.32%)
メタ・プラットフォームズ<FB> 209.42(-1.07 -0.51%)
AMD<AMD> 122.80(+1.74 +1.44%)
エヌビディア<NVDA> 241.64(+0.07 +0.03%)
ツイッター<TWTR> 35.37(+0.08 +0.21%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。