ダウ平均はプラス圏維持 ナスダックも下げ渋る=米国株後半
NY株式29日(NY時間15:40)
ダウ平均 36557.26(+159.05 +0.44%)
ナスダック 15778.51(-3.21 -0.02%)
CME日経平均先物 28895(大証終比:+65 +0.23%)
NY時間の終盤に入ってダウ平均はやや上げ幅を伸ばしているほか、ナスダックも前日付近まで下げ渋っている。オミクロン株の感染拡大は各国で悪化し、懸念材料となっているものの、重症化リスクは低いとの見方から、市場は楽観視している。行動規制が導入されたとしても以前のような厳しい内容にはならないとの見方が多いようだ。
一方、来年もインフレ高進は続くとの見方もある中で、FRBの利上げへの期待もあり、きょうの米10年債利回りは上昇している。無リスク資産との相対的なバリュエーション評価から、年内最終週で商いも少ない中、大手IT株中心に戻り売りが入っていた模様。
市場では来年の米株式市場に強気な見方が多く出ている。感染拡大によるロックダウンが無い限り、米GDPは来年も良好で、企業収益も好調と見ているようだ。しかし、弱気派からは、サプライチェーン問題やエネルギー価格高騰を今年の米企業は商品価格に転嫁できていた。しかし、来年もこの傾向が続けば、消費者の購買意欲が低下するほか、企業は売上高こそ好調を維持するものの、利益率は低下が予想され、株式市場は期待ほど上昇しないとの見方もあるようだ。
セクター別では全体的にまちまちな動きが多い中、エネルギー株や銀行株の一角、そして、航空株が下落。一方、好調なクリスマス商戦を背景に小売りが堅調なほか、半導体の一角も堅調。エヌビディア<NVDA>やAMD<AMD>は下落しているものの、マイクロン<MU>やクアルコム<QCOM>が買われている。
鶏卵業のカルメインフーズ<CALM>が下落。前日引け後に9-11月期決算(第2四半期)を発表し、売上高は予想を上回ったものの、1株利益が予想を大きく下回ったことが嫌気されている。コスト増が利益を圧迫した。
ソフトウエア開発のカリックス<CALX>が大幅高。S&Pダウジョーンズ・インディシズが同社をS&P中型株400指数の算出銘柄に採用すると発表した。
医療診断装置のケムバイオ・ダイアグノスティックス<CEMI>が大幅安。鼻腔スワブによる新型ウイルスとインフルエンザの検査装置「DPP呼吸抗原パネル」の緊急使用許可(EUA)の申請をFDAに提出したが、評価を拒否されたと発表した。
アパレルのビクトリアズ・シークレット<VSCO>が大幅高。自社株買いプログラムにおいて、投資銀行から相対で自己株式を取得する加速型自社株買い(ASR)を2.5億ドル分実施すると発表した。
燃料電池による発電所開発を手掛けるフューエルセル・エナジー<FCEL>が大幅安。8-10月期決算(第4四半期)を発表しており、1株損益の赤字が予想以上に膨らんだほか、売上高も予想を大きく下回った。
終盤になってバイオジェン<BIIB>に買いが強まった。株価は一時265.54ドルまで上昇。韓国経済新聞が関係者の話として、サムスンがバイオジェンの買収で交渉中と伝えた。
電気自動車(EV)スタートアップのリビアン・オートモーティブ<RIVN>が下落。大型バッテリーパックを搭載した電動ピックアップトラックとスポーツ・ユーティリティ・ビークル(SUV)の納車を2023年まで延期すると発表した。
マイクロン<MU> 96.20(+3.26 +3.51%)
クアルコム<QCOM> 186.88(+2.06 +1.11%)
バイオジェン<BIIB> 260.69(+24.70 +10.47%)
カルメイン<CALM> 36.32(-1.98 -5.17%)
カリックス<CALX> 78.72(+10.31 +15.07%)
ケムバイオ<CEMI> 1.10(-0.46 -29.78%)
ビクトリアズ・シークレット<VSCO> 54.98(+6.40 +13.17%)
フューエルセル<FCEL> 5.07(-0.81 -13.71%)
リビアン<RIVN> 98.80(-4.07 -3.96%)
アップル<AAPL> 179.68(+0.39 +0.22%)
マイクロソフト<MSFT> 342.65(+1.40 +0.41%)
アマゾン<AMZN> 3386.99(-26.23 -0.77%)
アルファベットC<GOOG> 2934.28(+5.32 +0.18%)
テスラ<TSLA> 1091.20(+2.73 +0.25%)
メタ・プラットフォームズ<FB> 343.84(-2.38 -0.69%)
AMD<AMD> 148.11(-5.04 -3.29%)
エヌビディア<NVDA> 300.72(-2.51 -0.83%)
ツイッター<TWTR> 42.81(-0.62 -1.43%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。