一時110円台乗せも続かず
一時110円台乗せも続かず
米PCEデフレータの好結果などが支えも、米債利回り上昇が続かず週末に向け調整
【東京市場】ドル円は高値圏もみ合い続く、110円超えには慎重
昨日の海外市場で円売りの動きが主導して大きく上値を伸ばし109円92銭を付けたドル円。
その後の調整は限定的なものにとどまっており、しっかりの展開が続く中で、
東京午前に109円96銭までと上値を更新する動きを見せた。
もっとも110円超えには慎重で、ドル円は高値圏もみ合い。
110円に乗せきれず短期筋の調整を誘うも、すぐに買いが出る流れとなり、堅調地合いを維持。
力強い日経平均の動きや、米株先物時間外の堅調な動きを受けたリスク選好の円売りも支えとなり、高値圏もみ合いが続いた。
ユーロ円は133円90銭前後での推移が続いた。昨日NY市場で134円台を付けたが、大台を維持出来ず
【ロンドン市場】もみ合い続く
109円台後半でのもみ合いが続いた。
限定的なレンジの中での推移が続いており、ドル高基調もドル円は110円超えに慎重。
ユーロドルは一時1.2172を付けるなどドル買いが優勢も、その後1.2200前後を付けるなど
こちらも突っ込んだドル買いには慎重。
【NY市場】一時110円超え
朝方に一時110円を超える動きを見せた。
ストップを巻き込む形110円20銭前後まで上値を伸ばしたが、その後値を落とし
大台を維持出来ずに週の取引を終えた。
PCEデフレータが好結果となったが、
イベントをクリアしたこと、強めとはいえサプライズまでの強さはなく
反応一巡で売りが出やすくなったことなどから、PCEをきっかけに大台割れまで。
もっとも109円80銭割れでは買いが入るなど、下値もしっかり。
ユーロドルは、ドル高基調に一時1.2130台まで下落も、その後値を戻した。
【本日の見通し】ドル高円安基調継続へ
先週末NY市場で一時110円台を付けた流れをどう見るか。
米債利回りがNY午後にかけて下げており、1.58%前後での引けとなった。
こうした動きがドル売りにつながると、110円を一度付けたことで、上値一服感に。
ただ、印象としてはまだドル高円安方向。109円台半ばあたりがしっかりになると
再びドル高が強まる可能性が十分にありそう。
NY市場で1.2130台から一時1.22台に戻したユーロドルが
ふたたび1.21台での推移から下を試すような流れが出るかどうかがポイントに。
【本日の戦略】押し目買い
110円をいったん付けたことや米債利回り上昇一服でいったん調整が入りやすい展開に。
ただ流れはまだ上と見ており、スウィングは押し目を待っての買いに回りたいところ。
デイトレは109円台後半でのレンジ取引を中心に回転か。
110円手前が重くなるようだといったん打診売りも、大台乗せですぐにストップ。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《5/28 金曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 109.81 1.2195 133.91
高値 110.20 1.2205 134.00
安値 109.74 1.2133 133.61
終値 109.85 1.2192 133.93
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《5/28 金曜日の主要株式指数》
日経 29149.41 +600.40
DOW 34529.45 +64.81
S&P 4204.11 +3.23
Nasdaq 13748.74 +12.46
FTSE 7022.61 +2.94
DAX 15519.98 +113.25
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《5/28 金曜日の商品市場》
NY原油先物7月限(WTI)(終値)
1バレル=66.32(-0.53 -0.79%)
NY金先物8月限(COMEX)(終値)
1オンス=1905.30(+6.80 +0.36%)
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《5/28 金曜日に発表された主な経済指標》
【日本】
雇用統計(4月)08:30
結果 2.8%
予想 2.7% 前回 2.6%(完全失業率)
結果 1.09倍
予想 1.1倍 前回 1.1倍(有効求人倍率)
【ユーロ圏】
フランス実質GDP(確報値)(2021年第1四半期)15:45
結果 -0.1%
予想 0.4% 前回 0.4%(前期比)
結果 1.2%
予想 1.5% 前回 1.5%(前年比)
ユーロ圏消費者信頼感指数(確報値)(5月)18:00
結果 -5.1
予想 前回 -5.1
ユーロ圏景況感(5月)18:00
結果 114.5
予想 112.3 前回 110.5 (110.3 から修正)
【スイス】
KOFスイス先行指数(5月)16:00
結果 143.2
予想 132.0 前回 136.4(134.0から修正)
【米国】
個人所得・支出(4月)21:30
結果 -13.1%
予想 -14.2% 前回 20.9%(21.1%から修正)(個人所得)
結果 0.5%
予想 0.5% 前回 4.7%(4.2%から修正)(個人支出)
PCEデフレータ(4月)21:30
結果 3.6%
予想 3.5% 前回 2.4%(2.3%から修正)(PCEデフレータ・前年比)
結果 0.7%
予想 0.6% 前回 0.4%(PCEコアデフレータ・前月比)
結果 3.1%
予想 2.9% 前回 1.9%(1.8%から修正)(PCEコアデフレータ・前年比)
卸売在庫(速報値)(4月)21:30
結果 0.8%
予想 0.7% 前回 1.3%(前月比)
シカゴ購買部協会景気指数(PMI)(5月)22:45
結果 75.2
予想 68.0 前回 72.1
ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)(5月)23:00
結果 82.9
予想 83.0 前回 82.8
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《5/28 金曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【ユーロ圏】
*シュナーベルECB理事
最近の金利上昇は見通し改善を示す材料。
これは望ましいことだ。
PEPP買入枠は引き続き極めて大規模。
経済は転換点に達した、短期見通しは改善
ECB支援策の早まった解除は大きなミステイクだ。
【日本】
*麻生財務相
G7財務相・中央銀行総裁会議がオンライン形式で開催。
G7財務相は世界経済やデジタル決済を議論。
日本は税制での協調が重要だと強調。
国際的な税制合意に向け来週に最終調整見込む。
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《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
鉱工業生産・速報値(4月)8:50
予想 4.0% 前回 1.7%(前月比)
予想 17.3% 前回 3.4%(前年比)
【中国】
製造業PMI(5月)10:00
予想 51.2 前回 51.1
【トルコ】
GDP(第1四半期)16:00
予想 6.3% 前回 5.9%(前年比)
【インド】
GDP(第1四半期)21:00
予想 0.9% 前回 0.4%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ消費者物価指数・速報値(5月)21:00
予想 0.3% 前回 0.7%(前月比)
予想 2.3% 前回 2.0%(前年比)
ドイツ調和消費者物価指数・速報値(5月)21:00
予想 0.3% 前回 0.5%(前月比)
予想 2.3% 前回 2.1%(前年比)
【カナダ】
鉱工業製品価格(4月)21:30
予想 N/A 前回 1.6%(前月比)
原材料価格指数(4月)21:30
予想 N/A 前回 2.3%(前月比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員