ルピア円が急落、インドネシアのコロナ感染者が再拡大＝東京為替

　インドネシアルピア円が急落している。午前１１時頃までは０．７１０円前後で推移していたが、同国株式市場の軟調な推移を背景にルピア売りが断続的に出て、１時間足らずで０．７０５円前後までの下押しとなった。

　インドネシアでは新型コロナウイルスの感染再拡大が問題となっており、同国保健省は２３日、新規感染者数が過去最多の４４６５人だったと発表。２１日の４１７６人から２日ぶりに最多人数を更新しており、足もとで感染者が急増している。

　ムルヤニ財務相は２２日の記者会見で、２０２０年の国内総生産（ＧＤＰ）成長率がマイナス１．７％からマイナス０．６％の間になるとの見通しを示した。従来、今年のＧＤＰ成長率はマイナス１．１％からプラス０．２％の間になるとの予想を示していたため、下方修正となる。同国経済はアジア金融危機時の１９９８年以来、初のマイナス成長となる可能性が出てきた。

　財務相は消費と投資、輸出はすべて今年減少する見込みで、経済が７～９月（第３四半期）と10～12月（第４四半期）に縮小する可能性があると説明。２１年の成長率についてはプラス４．５％からプラス５．５％の間とする見通しを維持したが、市場ではこれも下方修正が避けられないとの見方が優勢になりつつあるようだ。

IDRJPY　0.7053