ドル円の状況に変化なし 日銀関連の報道で急上昇も上げ維持できず=NY為替
ドル円は107.60円近辺で推移している。朝方は売りが優勢で始まり、107.35円近辺まで下落していたが、日本経済新聞が、日銀が無制限の国債購入と、コマーシャルペーパー(CP)・社債の購入倍増を議論すると伝えたことで買いが強まり、108円台まで上昇する場面も見られた。米株が大幅に続伸して始まったこともフォローとなったようだ。
日経によると、日銀は新型ウイルスの感染拡大による経済の急速な悪化を受け、来週27日の決定会合で追加の金融緩和策を打ち出す最終調整に入ったと伝えている。国債の購入額は現在の年80兆円としているメドを撤廃し、必要な量を制限なく買えるようにする方向で議論するという。CPや社債についても購入上限額を倍増する見込みだと伝えている。
ただ、ドル円の上値は重く108円台に入ると戻り待ちの売りオーダーが並んでいるようで、動きが一段落すると、107.60円近辺まで伸び悩んでいる。この日発表の米住宅指標は弱い内容となるなど、ある程度織り込んではいるものの、足元の米経済指標は弱い内容が相次いでいる。
来週は1-3月期の米GDP速報値が発表されるが、マイナス成長が予想されている。新型ウイルス感染による経済活動の停止で景気後退は十分認識しているものの、経済が早期に回復できるのか、それとも想定以上に低迷が長期化するのか、次の展開を見極めたいといった雰囲気に変化は無いようだ。
USD/JPY 107.69
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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