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今週の戦略:50%押しなら106円台も

達人の予想 

今週のポイントは?


■先週は、パウエル議長がゼロ金利や無制限の量的緩和策、更にその先の追加緩和策まで示唆したこと、更に新規失業保険申請件数が過去最大級の件数になり、週末は消費者信頼感指数までもが2016年以来の悪化を受けて107円後半まで売り込まれる格好となりました。


■今週のポイントは以下となります。

・コロナウィルスの感染拡大状況

すでに中国の感染者数を抜いて世界トップの感染国となった米国。
これに対してトランプ政権も2兆ドルの景気刺激策を打ち出しているものの、リセッションは免れない状況になっており、雇用や消費は急降下することはほぼ確実。その結果や度合いが今後の経済指標の大きく反映されることになるので、米ドル売りの要因になると予想しています。


・米3月雇用統計と各景気指標に注目

上記の景気刺激策は出しているものの、感染状況のスピードがその刺激策を上回っていることから、株式市場に関してはチャート的にも2段下げ。今週の雇用統計に関しては、想像をはるかに上回る状況に悪化する恐れがあります。更に米3月消費者信頼感指数、シカゴ購買部協会景気指数、ISM製造業景況指数の結果にも反応しやすいとみています。


・日本の感染状況拡大懸念

世界的に感染拡大が出ていますが、米国と比べるとその影響範囲は小さくみえます。
しかし、この数日の東京の状況を見渡すと米国の2週間前にそっくりにもみえます。
週末の外出自粛制限もだされているものの、週明けの状況や感染報告次第では、首都封鎖や非常事態宣言もあり得るので警戒したいです。


上記はすべてリスク回避の売り材料になっていますが、買い材料としてもGPIFが外債投資枠を25%に拡大することや各国の景気刺激策もあります。

つまり、「リスク回避(パンデミック)VS景気刺激策」といった図式でみています。

ドル円のチャートをみればトレンドとかテクニカルといったものが通用するレベルではなくなっています。
その意味では、リスク管理はもちろんのこと、トレードにおいては数量を縮小するのが正攻法だと思っています。


最後にドル円の戦略です。

日足ベースでは、今回の3月9日安値(101.18円)から直近高値(111.75円)に対する調整とみるのであれば、週末の安値近辺がちょうど38.2%押しになっています。

もう一段の下げでみるのであれば、50%押し(106.45円)。
この半値押しレベルを想定しながらの売買となりそうです。

執筆者 平野朋之

執筆者 : 平野朋之|株式会社トレードタイム代表取締役

トレードタイム 平野朋之 ネット証券にてFX事業全般の業務、自己売買部門でのディーラー業務、投資情報室にて日経225の情報発信、セミナー講師を務める。その後投資顧問会社を経て、マーケット情報発信、セミナー講師、独自手法での資金運用業務を行う

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