コロナ禍の中で迎える米2月雇用統計=外為どっとコム総研 神田卓也
コロナ禍の中で迎える米2月雇用統計
【基調】
下値不安
【注目イベント】
・3/6 米2月非農業部門雇用者数、米2月失業率、米2月平均時給
・主要国株価、米長期金利
【本文】
ドル/円は、本日6日の東京市場で一時105.70円台まで下落して2019年9月以来半年ぶりの安値を更新した。新型コロナウイルスの感染拡大とともに市場に不安が広がる中、世界的に株価が下落しており、リスク回避の円買いが活発化。同時に米債買いが強まり米10年債の利回りが過去最低の0.8%台へと低下したためドル売りも勢いを増している。そうした中、本日は米2月雇用統計が発表される。市場予想は非農業部門雇用者数が17.5万人増、失業率は3.6%、平均時給は前月比+0.3%、前年比+3.0%などとなっている。発表済みの2月分の米労働関連指標が概ね良好だった事から、雇用統計も比較的良好な結果に収まりそうだ。とはいえ、新型ウイルスを巡る混乱で下値を模索中のドル/円が雇用統計の好結果に強く反応する公算は小さいだろう。米国株の続落観測も強いだけに、ドル/円の戻りは限られそうだ。なお、金曜日のNYダウ平均は、週末のウイルス感染拡大を警戒してか6週連続で値下がりしており、本日も下落すれば7週連続となる。ドル/円としては、米雇用統計の結果以上に米国株の動向が重要な手掛りとなりそうだ。
執筆者 : 神田卓也|株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 証券株式会社を経て、1991年㈱メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年同社入社。