ポンド買い強まる、米中貿易合意近しの報道で円売りも=ロンドン為替概況
ポンド買い強まる、米中貿易合意近しの報道で円売りも=ロンドン為替概況
4日のロンドン市場は、ポンド買いが強まった。序盤の取引で、ポンドドルが1.30台に乗せると一気に1.3063レベルまで上昇。特段の目新し材料はでていないが、英総選挙を12月12日に控えて、保守党の優勢が続いており、ポンド売り持ちが切らされた面があったようだ。ポンド円は140円台後半まで下げたあとは一気に142円台乗せまで上伸。ポンド買いに円売りの動きも加わった。ブルームバーグが「米中は貿易合意に近づいている」と報じたことで、市場のムードが好転。株高や米債利回り上昇とともに、ドル円やクロス円が買われた。ドル円は108円台前半から108.79レベルまで上昇。ユーロ円は120.10近辺から120.50台まで上昇。ただ、ユーロドルは上に往って来いと冴えない動きで、ユーロ円の買いを限定的なものとした。一連の欧州非製造業PMIは改善傾向を示したが、ユーロ買いは続かず。ユーロドルは1.10台後半で方向性に欠ける値動きだった。
ドル円は108円台後半での取引。序盤は米中の政治対立が警戒されて、108.43レベルに安値を広げた。しかし、ブルームバーグが「米中は貿易合意に近づいている」と報じたことで、円売りが強まり、108.79レベルまで反発した。欧州株や上げ幅を拡大、米株先物はプラスに転じている。ただ、足元では買い一服。続報待ちとなっている。このあとのNY市場では米ADP雇用統計とISM非製造業景気指数が発表される。
ユーロドルは1.10台後半での取引。一連の欧州非製造業PMIが改善傾向を示したことで1.1088レベルまで買われたが、その後はポンド買い・ユーロ売りのフローに押されて1.1067レベルまで反落した。20ポイント程度の値幅での振幅にとどまっている。ユーロ円は序盤に120.10近辺まで下押しされたあと、ドル円の上昇とともに120.54レベルまで上昇。しかし、対ポンドでのユーロ売りが上値を重くして120円台前半に落ち着いた。
ポンドドルは1.30台半ばでの取引。1.29台後半でやや上値重く推移して始まったが、一気に1.30台乗せとなると、ストップ注文を巻き込んで1.3063レベルまで上伸した。5月8日以来の高値水準となった。ポンド円は序盤に140.84レべルまで下押しされたが、ポンドドルとともに上昇に転じると、高値を142.05近辺まで伸ばした。ユーロポンドが軟調。0.8530近辺から0.8480近辺へと下落している。ポンド買いの目立ったニュースはなかったが、英総選挙を12月12日に控えて、保守党優勢の状況が続いており、ポンド相場は磁路高となっていた。きょうは一気に、ポンド売り持ちがショートカバーされたもよう。
MINKABU PRESS 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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