ドル/円、108円台での小競り合い=外為どっとコム総研 神田卓也
ドル/円、108円台での小競り合い
昨日のドル/円は終値ベースで約0.1%下落。欧州市場で108.83円前後まで持ち直す場面もあったが、NY市場では米株安と米債利回りの低下が重しとなり108.45円前後まで軟化した。なお、トランプ米大統領は米中通商協議について「中国とディールができなければ、単に関税を一段と引き上げるだけだ」と述べた。
ドル/円は、米中通商協議の行方を睨んで方向感を欠く相場展開が続いており、本日も関連報道を警戒しながら108円台での小競り合いが続く公算。109円台には戻り待ちの売りが控える一方、108円台前半には本邦勢の買いが観測されており、強い手掛りがなければ、いずれの方向にもブレイクするのは難しそうだ。また、今朝方には米上院が香港人権法案を可決した。下院法案との一本化および大統領の署名が必要となるが、仮に成立すれば、関税面などでの香港への優遇措置が差し止められる可能性もある。中国政府の反発は必至なだけに、アジアタイムを中心に香港情勢への留意も必要となりそうだ。
執筆者 : 神田卓也|株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 証券株式会社を経て、1991年㈱メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年同社入社。