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ブレグジットの最新シナリオ

達人の予想 

ブレグジットの4つのシナリオ

9日、英国のEU離脱延期法が正式に成立しました。これは10月19日までにEUと協定案で合意できなければ、ブレグジット期日を来年1月31日まで延期するようジョンソン首相がEUに要請することを義務付けるものです。ジョンソン首相は対抗措置として、議会の解散総選挙を再び動議しましたが、下院で必要な3分の2の賛成を得ることができませんでした。

そして、ジョンソン首相は9月9日から10月14日まで議会を停止しました。そのうえで、ジョンソン首相はEUと交渉を続けるとしていますが、依然として様々なシナリオが考えられます。以下、現時点で考えられる4つのシナリオです(確率が高いと筆者が考える順)。

(1)離脱延期

最終的には、下記(2)~(4)のいずれかに落ち着くが、10月31日時点で結論は出ない。英議会に義務付けられたEUへの延長申請をジョンソン首相が行う。あるいは、ジョンソン首相が辞任するなどして、暫定政権が延長を申請。EUはそれを承認する。延長は短期間とは限らず、都度更新されて1年あるいはそれ以上続く可能性もある。その間に、総選挙や第2の国民投票が行われる可能性がある。
<ポンド/円の方向性:横ばい>

(2)合意なき離脱

ジョンソン英首相は、メイ前首相とEUが合意した協定案、とりわけアイルランド国境のバックストップを受け入れない。一方、EUは協定案を再交渉しないとの姿勢を崩さない。ジョンソン首相はEU離脱延期法を無視したり、同法の抜け穴を見つけたりする。あるいは、英国が離脱延期を申請しても、EUが承認しない(全加盟国の承認が必要)。とりわけ、フランスは着地の見えない延期には否定的。その結果、当初の予定に従い10月31日に英国がEUを離脱する。
もっとも、合意なき離脱によって英国経済が大混乱に陥った場合、ジョンソン政権が倒れて新政権が誕生、EUと改めて協定案の交渉を開始する可能性はある。
<ポンド/円の方向性:下降>

(3)秩序ある離脱

土壇場でEUと英国が協定案で合意する。欧州政治はそうしてギリギリで最悪の事態を避けてきた歴史があり、今回もそれが繰り返される。アイルランド国境の「バックストップ」が両者の受け入れられる形で微修正されるか、あるいはジョンソン首相がEUから「見直し」の言質を取り付けた上で「バックストップ」を受け入れる。この場合は、2年間の移行期間がキックインするため、実質上のブレグジットは2年後となる。
<ポンド/円の方向性:上昇>

(4)離脱の撤回

昨年12月、EU司法裁判所は、英国には一方的に離脱を撤回する権限があるとの見解を示した。ただし、総選挙や第2の国民投票を経ずに英国が離脱を撤回することは2016年の国民投票で示された民意に反することになる。そのため、早い段階で英国が離脱の撤回を決定する可能性は非常に低い。
<ポンド/円の方向性:大幅な上昇(急上昇)>

執筆者 西田明弘

執筆者 : 西田明弘|マネ―スクエア チーフエコノミスト

マネースクエア チーフエコノミスト、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)。 証券会社、米シンクタンク、FX会社にてリサーチ一筋30余年。ファンダメンタルズ分析を得意とする。

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