今週のまとめ8月26日から8月30日の週

為替 

 26日からの週は、相場が激しく上下動した。米中貿易戦争の激化を懸念して週明けのオセアニアおよび東京市場早朝には円高の動きが強まった。トルコリラ円が急落するなどパニック商状もみられたが、その後は円買いが一巡して円高の動きを消した。ドル円は106円台半ばから一時104円台半ばまで急落したあと、再び106円台を回復する動き。9月1日には米国が対中追加関税第4弾を実施するが、市場では9月に双方が協議を再開することが期待された。株式市場は総じて堅調に推移した。円高の動きが一服する一方で、週後半には米債利回りの上昇とともにドル買い圧力が優勢になった。ユーロドルは1.11を挟む上下動から1.10台前半へと下落している。イタリアではコンテ首相が大統領から新たな組閣を委任された。複数のECB高官は、QEは時期尚早として市場の行き過ぎた緩和期待をけん制。ただ、米国との景況感の差は歴然としており、ユーロ買い方向には戻らなかった。ポンドは英議会が休会中となるなかで、9月の議会再開後をにらむ動き。野党が不信任投票を求める動きなど不透明感が広がった。週明け2日は米加市場がレイバーデーのため休場となる。週末の米中双方の貿易戦争をめぐる動きや、中国製造業PMIなどリスク材料が多い来週の週明け相場となりそうだ。



(26日)
 東京市場は、激しく振幅する展開だった。ドル円は朝方に104.46レベルまで下落し、年初来安値を塗り替えた。先週末に米中貿易戦争の動きが激化したことが背景。しかし、その後は買い戻しが強まって105円台後半まで上昇、前週比で上昇に転じる動きをみせた。中国の劉副首相が「落ち着いた対話による貿易摩擦解決の意思がある」「貿易戦争のエスカレートには反対する」と述べたことに反応し、リスク回避の円買いや株安がやや後退。今晩のロンドン市場がサマーバンクホリデーで休場となることも一方的な動きを抑制したもよう。ユーロ円は116円台半ばまで下落後、117円台後半へと反発。ユーロドルは1.11台半ばでの推移。先週末からの高値圏を維持した。豪ドル/ドルは0.6690付近まで下落した後、0.67台前半へと戻した。
 
 ロンドン市場は、円売りが優勢。米中貿易戦争の激化を懸念して週明けのオセアニアおよび東京市場早朝には円高の動きが強まった。トルコリラ円が急落するなどパニック商状もみられたが、その後は円買いが一巡して次第に値を戻した。ロンドン朝方には105円台前半で取引を開始、米債利回りが1.44%台まで低下、欧州株や米株先物もマイナス圏で取引された。しかし、「昨日、中国側から交渉を再開したいと米国担当者に連絡あった」とのトランプ発言でムードが一気に好転。欧州株や米株先物がプラスに急転、米債利回りも上昇した。ドル円は105.99レベルまで高値を伸ばした。クロス円も円安方向に動き、ユーロ円117円台後半、ポンド円130円台乗せまで上昇。ユーロドルやポンドドルはドル買いの動きに押された。ただ、先週末の水準を回復するには至らず、ポジション調整の動きがあぶり出された格好だった。トランプ発言について、中国側は電話会議を否定しているが、ドル円は105円台後半にとどまっている。

 NY市場では、ドル円が堅調に推移。一時106.41レベルまで買われた。106円台を上回ると短期筋がドルを買い戻すストップリス注文が発動されたもよう。その後も106円ちょうど付近がサポートされた。先週末には軒並み2%超安、ナスダック指数は3%の大幅安となった米株は、1%超の反発をみせた。各市場で買戻しが優勢となり、リスク警戒の動きは後退している。ロンドン午前のトランプ大統領が中国から通商協議再開の申し入れを受けたとの発言がムードを好転させていた。

(27日)
 東京市場では、リスク警戒の動きが再燃。ドル円は105円台後半で軟調に推移した。昨日はトランプ米大統領の発言を巡って右往左往する場面はあったが、行き詰まっている米中通商協議が従来の軌道に戻ることを期待するだけの背景はなく、依然として米中貿易戦争の激化が警戒されている。ユーロ円は117円台前半、ポンド円は129円ちょうど付近まで下落。デベル豪中銀総裁補佐が利下げを続けた場合の政策金利の最低水準として0.00~0.50%との認識を示した。豪ドル相場に目立った反応はみられなかったが、米中貿易戦争の激化を警戒してオセアニア通貨は重く、豪ドル/ドルは0.67台半ば、豪ドル円は71円台半ばまで軟化した。ユーロドルは1.11ちょうど近辺、ポンドドルは1.22台前半など前日の安値水準で揉み合った。

 ロンドン市場は、全般に円売りが優勢。序盤は軟調だった欧州株や米株先物が次第に下げを消し、プラスに転じた。特にポンドが堅調。今日の午後にはジョンソン英首相とユンケルEU委員長が電話会談を行うと報じられており、合意なき離脱の回避の向けた楽観的な見方が広がっているもよう。一方、ユーロは序盤に買われたが、その後は上昇一服。イタリア連立協議をめぐる期待感でユーロ買いが先行したが、五つ星と民主党との人事をめぐる対立などで、協議が突然キャンセルされた。一方、欧州株の堅調な動きには独政府による景気刺激策への期待感もあるようだ。ドル円は105円台後半での神経質な動き。米債利回りの動きに逐一反応をみせており、利回りの低下が一服する場面では106円手前まで上昇。しかし、利回り低下基調のなかで、反発の動きは限定的。ユーロドルは1.11台前半で小幅の振幅。ポンドドルは1.22台前半から後半へと上昇。ユーロ円は117円台後半、ポンド円は129円台後半まで上昇。

 NY市場では、円売り先行も次第に頭打ちとなった。ドル円は米株が上昇して始まったことから106円台を回復して取引を開始した。しかし、米株が伸び悩み、一時155ドル高まで上昇していたダウ平均が一時176ドル安まで下落する動きにドル円も105円台へと再び軟化した。トランプ大統領が言及した週末の電話協議に関して中国外務省が再度、「把握していない」と否定。この問題の早期解決に対して市場は懐疑的な見方を緩めていない。また、景気後退への懸念もあいまって米国債利回りも下げており、2-10年債は逆イールドを鮮明にしている。ユーロドルは1.10台へと再び軟化。一方、ポンドドルは買い戻しが継続して1.23台まで一時上昇。ユーロドルはユーロ円の下落が圧迫した。ポンド買いには合意なき離脱回避への期待が先行した面が指摘されている。
 
(28日)
 東京市場は、小動き。昨日の海外市場で、米中関係への警戒感や、米国の2年債と10年債の逆イールドの状態が常態化していることなどが重石となり、ドル円は105円台の安値圏で推移。その流れを受けて朝方は105.60台でスタートも、株式市場の落ち着いた動きなどもあり、少しドルの買い戻しが入って105.80台での推移となった。 ユーロドルはわずか11ポイント、ポンドドルは25ポイントのレンジと、主要通貨は軒並み落ち着いた動き。豪ドルが0.6760近辺から0.6735を付けるなど、若干のドル買い。リスク警戒からの資源国・新興国通貨売りの圧力が継続した。ドル人民元は目立った動きを見せず。調整ムードの中昨日終値近辺よりも少し元高水準での推移。

 ロンドン市場では、ポンド売りが目立った。ポンドドルはロンドン午前に1.2285近辺から1.2155近辺まで大きく値を落とした。英国営放送BBCなどが「ジョンソン英首相が英女王に10月半ばまでの議会休会宣言を要請へ」と報じたことが、合意なき離脱懸念を一気に強まらせる結果となった。EU離脱回避に向けた議員の動きを抑えようとしているとの思惑が広がった。ポンド円は130円手前から128円台半ば割れへ。ユーロドルは1.10台後半での揉み合い。イタリアの政局懸念がユーロの重石の一つとなっている中、五つ星連合が新たな連立の枠組みの相手として交渉中の民主党が、コンテ首相の続投を支持と報じられた。ドル円は105円台後半での推移が継続した。米長短金利の逆転現象も、ドル円の下げは限定的だった。

 NY市場では、ドル円の買戻しが優勢。米株が堅調に推移するなかで、ドル円は一時106.20近辺まで上昇した。ポンドを中心に欧州通貨が下落したことが、相対的にドル買いにつながった面もあった。ただ、2-10年債の逆イールドはこの日も継続しており、景気後退への懸念は根強い。米中対立の行方も不透明で、106円台に乗せると上値を抑えられるパターンが続いている。ユーロドルは1.10台後半での狭いレンジ取引。伊民主党と伊大統領の会談でコンテ首相の続投が支持されており、連立政権樹立の可能性が高まっているが、ユーロ相場は反応薄だった。ポンドドルは1.2250近辺へと反発。ロンドン市場での急落は一服した。英議会休会をめぐり市場の見方は交錯した。

(29日)
 東京市場で、ドル円は軟調な動き。。前日NY市場での上昇を受けて、早朝には106.13レベルまで再び買われた。しかし、逆イールド状態が続くなかで米長期債利回りが一段と低下、ドル円は105.83レベルまで下押しされた。午後は105.90近辺での揉み合いとなった。中国人民元の下落もリスク警戒につながった。ドル人民元は2008年3月以来となる7.17元台までドル高元安が進行している。イタリアの政局懸念が重石となるユーロはユーロ売りとドル売りで相殺されて、1.1080付近で動きが見られず。朝からのレンジはわずか10ポイント。ポンドドルは1.22ちょうど近辺から1.2210台での小動き。

 ロンドン市場は、リスク警戒感が後退し、円売りが優勢に。中国商務省報道官 米中は9月の訪米に関して協議している、との報道がリスク警戒感を後退させた。米債利回りが上昇し、欧州株や時間外取引での米株先物が買われている。ドル円は一時106.36レベルまで上昇。クロス円も総じて買われ、ユーロ円117円台後半、ポンド円129円台後半、豪ドル円71円台後半へと本日高値を伸ばした。また、イタリアではマッタレッラ大統領がコンテ首相に新たな組閣を委任しており、伊債券や伊株式が買われている。英EU離脱については不透明感が根強いが、労働党は立法による離脱延期を探るのが最善策だが、限られた議会開催期間では政府不信任投票の要求が最も有効との見方を示していた。ポンドドルは1.21台後半まで下落したあと、1.22台を一時回復した。一方、ユーロドルは1.10台後半で上値重く推移している。

 NY市場は、ドル円が上昇。ロンドン市場からの流れが継続し、NY市場では106.70近辺まで買われた。中国が直近の米国による関税引き上げに対して直ちに報復しないことを示唆したことから米中対立への警戒感が緩和した。また、トランプ大統領が本日、米中が貿易問題について協議すると述べたことも期待感を高めていたようだ。米株が買われ、ダウ平均は一時370ドル超高となった。米債利回りも上昇。月末接近で今週末の米国市場はレーバーデーで3連休となることもあり、短期筋のショートカバーも見られた。ユーロドルは軟調で、1.1045近辺まで下落した。クノット・オランダ中銀総裁が「現時点で量的緩和(QE)を再開する必要性はない」と述べたことで一時1.1095近辺まで買われる場面があったが、すぐに売り戻された。一方、ラガルド次期ECB総裁は「ECBの政策金利はまだ下限に達していない」との認識を示した。ポンドドルは1.21台に軟化。前日からの売り圧力が上値を重くしている。

(30日)
 東京市場で、ドル円は106円台前半から半ばでの小動き。週明け2日のニューヨーク市場はレイバーデーで休場となる。米中貿易戦争が激化しているなかで、来月対面による米中通商協議が行われるとの期待感がドル円を支えし、NY市場では円売りが優勢だったものの、東京市場で円安は一巡した。中国側は9月1日に新たな対中関税が発動した場合の報復を警告しており、通商協議の実施が不透明となることから来週以降の警戒感は根強かった。明日発表される中国製造業PMIが一段と低下するリスクや、香港独立派の活動家アンディ・チャン氏が当局に拘束されたことも不透明要因。豪ドル円などクロス円は上値重く推移。

 ロンドン市場は、円高の動きが一服。欧州株が堅調に推移し、米株先物も時間外取引で上げ幅を拡大。米10年債利回りが上昇するなど、リスク警戒の動きが後退している。9月1日には米国が対中追加関税第4弾を開始するが、市場では双方が協議を再開することが期待されているもよう。ドル円、クロス円の下押しは一服しており、ドル円は一時106.50台、ユーロ円は117.50台へと下げ渋った。豪ドル円も71円台後半へと一時反発。ユーロドルは1.10台前半で小安い動き。安値を1.1030台へと広げた。9月のECB理事会を見据えて、一部当局者からは市場の過度な緩和期待を抑制する動きがみられた。ラウテンシュレーガー理事は、QE再開については最終手段だとしている。8月ユーロ圏消費者物価速報は前年比+1.0%と引き続き中銀目標を大幅に下回った。ポンドドルは1.21台後半での神経質な上下動。ジョンソン英首相の議会休会を阻止するために裁判所に差し止めを求める動きがでている。いったん拒否されたものの、再び来週には審理が行われる予定。

 NY市場でドル円は106円台前半でのレンジ取引となった。来週月曜日2日は、米国がレイバーデーの祝日で休場となることから、いつもよりも長い週末を前に積極的な取引を手控える動きが目立った。 ロンドン市場朝方に米債利回りの上昇などから106円台半ば超えまで上昇した後、調整が入った流れを受けて、NY朝方はドル売りが優勢に。ドル円は106円11銭を付ける動きとなった。もっともドル安はそこまで、106円の大台割れをトライするような流れにもならず、いったん揉み合いに。昨日までの流れを引き継いで、朝方は米株式市場が堅調な推移を見せたことも、ドル円の支えとなった。 その後トランプ大統領がユーロドルでのユーロ安を揶揄するような発言を行ったことで、ユーロドルは少し上昇も、上値が重く、逆に売りが強まる展開となって心理的な節目でもあった1.10を割り込む動きに。2017年以来の1.09台を付けたユーロドルは1.0963近辺まで。その後少し戻したが1.10を回復しきれず、頭の重い展開となった。ユーロドルでのドル高もあって、ドル円も安値から値を戻す展開となり、106円40銭台まで回復。

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執筆者 : MINKABU PRESS

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