終盤になってドル円は106円台を試す動き 一時106.20円付近まで上昇=NY為替後半
NY時間の終盤に入ってドル円は106円台を試す動きが出ており106.20円付近まで上昇。きょうのNY為替市場、ドル円は買い戻しが優勢となっている。ただ、上値を積極的に追う動きまでは見られず106円台には慎重さも見られていたものの、終盤になってダウ平均が上げ幅を拡大しており、ドル円も追随する動きとなっているようだ。きょうはポンドを中心に欧州通貨の下落が見られ、相対的にドル買いの流れがドル円をサポートしている。
今週は一時105円を割り込む動きも見られたものの、直ぐに買い戻されている。105円を割り込むとショート勢による達成感からの買い戻しも強いようだ。
ただ、2-10年債の逆イールドはきょうも継続しており景気後退への懸念は根強い。米中対立の行方も不透明な状況が続く中で、明日以降106円台を維持できるか注目される。21日線が106.30円付近に来ており目先の上値メドとして意識。
ユーロドルは1.10ドル台後半での狭い範囲での振幅が続いている。イタリア民主党(PD)のジンガレッティ書記長はマッタレッラ大統領との会談で、コンテ首相の続投を支持。大統領はコンテ首相に政権樹立を指示しており、連立政権樹立の可能性が高まっている。
イタリア国債は買いが強まり、イタリア10年債利回りは過去最低に低下している状況だが、ユーロはさほどポジティブな反応を見せていない。イタリアに関しては織り込んでいる節もあり、あまり材料視されていない模様。むしろ連立政権を維持できるかに注目しているようで今後の課題となる。
先週末に米中対立のエスカレートを材料にユーロドルは1.11ドル台半ばまで上昇する場面があった。しかし、今週に入るとその上げを解消する動きが続いている。米中対立は中国への輸出に大きく依存しているドイツ経済への悪影響も大きいことを市場は次第に意識し始めているほか、素直にドル売り・ユーロ買いには動けなくなっているのかもしれない。
ポンドドルはNY時間に入って買い戻しも見られ、一時1.2250ドル付近まで戻した。しかし、ロンドン時間の前半には1.2280付近から1.2155ドル付近まで一気に125ポイント程度急落する場面が見られている。ジョンソン英首相が、9月12日から10月14日の女王演説まで議会を休会とすることをエリザベス女王に求めると述べたことが嫌気されていた。合意なき離脱を阻止しようとする議員らの動きを封じることが目的と見られている。
ただ、市場は依然として10月31日の離脱期限までに合意できると楽観的に見ているようで、ポンドも以前ほど下押しする展開にはなっていない。いまのところポンド安は限定的。一部からは、議会休会の動きが逆に、EU当局者が合意の変更を許可するよう促すかもしれないとの見方も出ている。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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