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[資源・新興国通貨8/19~23の展望] メキシコ中銀が利下げに踏み切る

達人の予想 

豪ドル

豪州の7月雇用統計が8月15日に発表され、結果は失業率が5.2%と6月から横ばい、雇用者数は前月比4.11万人増でした。

失業率が上昇(悪化)しなかったうえ、雇用者数も良好な結果だったことから、RBAは6月と7月に実施した利下げの効果を見極めようとすると考えられます。9月3日の次回会合で政策金利は現行の1.00%に据え置かれそうです。9月の利下げの可能性が低下したことが、豪ドルを下支えするかもしれません。

ただし、失業率はRBAが賃金の伸びやインフレの加速に必要と推計する4.5%を依然として大きく上回っています。失業率が改善しなければ、RBAの“必要なら利下げを行う”との政策スタンスは変わらないとみられ、市場の追加利下げ観測も残りそうです。

また、米中貿易摩擦や世界景気の先行き懸念、香港情勢など、リスク回避の動きが強まりかねない材料があります。リスク回避は豪ドル安要因です。

8月20日にRBA議事録(8/6開催分)が公表されます。その中では“必要なら利下げを行う”との姿勢が改めて示されるとみられます。RBAの金融政策の先行きについて新たな手掛かりが提供されなければ、豪ドルに大きな反応はなさそうです。

NZドル

RBNZ(NZ中銀)は8月7日の会合で0.50%の利下げを決定。オア総裁は会見で追加利下げを示唆したうえ、マイナス金利導入の可能性にも言及しました。主要国中銀の多くが政策の緩和姿勢を強めていますが、その中でもRBNZは緩和姿勢が特に強い感があり、そのことはNZドルの重石となりそうです。

また、豪ドルと同様にNZドルは投資家のリスク意識の変化を反映しやすいという特徴があります。リスク回避の動きが強まる場合、NZドルに対して下落圧力が加わる可能性があります。

カナダドル

足もとの世界景気の先行き懸念の高まりは、カナダドルにとってマイナス材料です。カナダは原油など資源を輸出しており、カナダ経済は世界の景気動向の影響を受けやすいという特徴があるためです。

また、カナダの10年債の利回りが2年債の利回りを下回る“逆イールド”の度合いが今週(8/12の週)、約20年ぶりの大きさを記録しました。逆イールドは景気後退の前兆とされます。世界やカナダ景気の下振れリスクが増大していることから、BOC(カナダ中銀)は今後利下げへと動く可能性があります。OIS(翌日物金利スワップ)によると、市場はBOCが9月4日の次回会合で利下げする確率を4割弱織り込んでいます。

世界景気の先行き懸念やBOCの利下げ観測を背景に、カナダドルは当面軟調に推移しそうです。

トルコリラ

TCMB(トルコ中銀)は8月8日、チーフエコノミストや調査・金融政策部門の責任者など10人以上を解任しました。

この決定は、TCMBの独立性をめぐる懸念を再燃させるおそれがあります。エルドアン・トルコ大統領は7月6日、利下げ要求に応じなかったとしてチェティンカヤ総裁(当時)を解任。それからわずか1カ月で今度はチーフエコノミストらが解任されました。エルドアン大統領がTCMBに圧力をかけたとみられます。

市場の関心が米中貿易摩擦や世界景気の先行きなどに向いているため、チーフエコノミストらの解任は市場でそれほど材料視されませんでした。ただ、エルドアン大統領による相次ぐTCMBの独立性を損ないかねない行動は、いずれトルコリラに対する下落圧力になる可能性があり、要注意です。

南アフリカランド

IMF(国際通貨基金)高官が8月15日、「南アフリカの債務は、同国史上最大になっている」と指摘し、「これは非常に懸念すべき事態だ」と語りました。同国の2018年の公的債務は対GDPで56.71%でした。

市場は、格付け会社が南アフリカを格下げする、特にムーディーズがそれを行うことを懸念しています。ムーディーズが格下げすれば、南アフリカの格付けは3大格付け会社のすべてでジャンク(投機的等級)になるためです。IMF高官の発言は、格下げ懸念を一段と強める可能性があります。

格下げ懸念が重石となり、南アフリカランドは上値が重い展開になりそうです。リスク回避の動きも加われば、ランドの下げは大きくなる可能性があります。

メキシコペソ

BOM(メキシコ中銀)は8月15日の会合で、0.25%の利下げを決定。政策金利を8.25%から8.00%へ引き下げました。利下げは2014年6月以来、決定は4対1(据え置きを主張)でした。

メキシコの景気低迷に加え、CPI(消費者物価指数)上昇率の鈍化が利下げの背景にあると考えられます。メキシコペソは対米ドルで足もと軟調に推移しているため、市場では“今回は据え置き”との見方もありましたが、BOMは利下げに踏み切りました。

BOMの利下げに対する市場の反応は限定的でした。その要因として、市場の関心がBOMの金融政策以上に米中貿易摩擦や世界景気の先行きなどに向いているためと考えられます。ただ、BOMが今後も利下げを継続する場合、それが市場で意識されてメキシコペソの下押し要因となる可能性があります。

足もとのメキシコペソ/円は、投資家のリスク意識の変化に反応しやすい地合いであり、こうした状況は当面続きそうです。リスク回避の動きが強まる場合、ペソ/円は下落する可能性があります。

執筆者 八代 和也

執筆者 : 八代 和也|マネ―スクエア シニアアナリスト

マネースクエア シニアアナリスト。資源・新興国通貨を中心に分析し、マネースクエアのWEBサイトにてレポート(「ウィークリー・アウトルック」、「デイリー・フラッシュ」など)配信のほか、動画コンテンツ「M2TV」出演、セミナー講師を務めている。

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