底入れの準備をしておきましょう
日米続落商状
先週末の米国株続落を受けて、本日の東京市場も大きく続落。
日経平均は366円休の20,720円でした。一時は573円安、20,514円まで下落する局面がありました。12時半の時点でした。
業種としては明らかに105.77円までの円高ですから、どうしてもディフェンシブセクターの下げ率のほうが、景気敏感セクターよりは小さいのです。
グローベックス市場の米国株先物でかなり本日の日経平均は左右されています。
朝がたはNYダウ工業株先物が90ドル安から、ほぼトントンまで戻したりする局面茂あったのですが、その後100ドル安まで気配を切り下げてゆき、前場終わりには250ドル安まで気配切り下げ幅を拡大していました。後場には300ドル超の気配切り下げとなり、日経平均も300円安の値幅から400円級、500円級という下落幅へと拡大。
引け時点では、グローベックス(NYダウ工業株先物)は258ドル安でした。
下げの要因は、人民元安~これが問題なら、相場は戻す
ついに、人民元が崩れました。恐らく本日の下げの一番大きなポイントはここだったのでしょう。
対ドル・レートは先週末2日の時点では6.9450まで下落しており、5月いらいの揉み合いだった6.931(終値ベース)を割り込む人民元安にはなっていましたが、微弱なので、週明けどうなるかは不透明でした。
それが本日は一気に7.0317まで急落。過去、中国当局が絶対防衛ラインとしていた6.9台をあっさりを割り込んで人民元が下落したことになります。
本日上海コンポジット指数は続落で2841前後。0.91%下落。200日線の2825前後に接近。
中国は、先週からトランプ大統領による関税引き上げ第四弾という攻撃にさらされ、一方内部では香港騒動が、騒乱に発展しつつあり、内憂外患に陥っています。
とくに香港では、公務員ですらデモに参加するという状況に陥っており、習近平政権の重大な政策変更が、あらゆる面で問われている状況です。
折しも、秘密会議ですが現政権首脳部と、元老たちとが一堂に会する北戴河会議が3日から行われているようですから、アメリカも香港も、これにタイミングを合わせて、中国に対する揺さぶりをかけたというのが本当のところかもしれません。
うまく作用すれば、北戴河会議は元老たちによる現政権への批判・避難による突き上げがなされるでしょうから、習近平政権も政策方針を大きく転換を余儀なくされるかもしれません。
中国としては、一番怖いのは人民元安に反映されるような、資本の流出です。
もし、この人民元安が下げ要因の大部分だったとするなら、この下げ相場は自ずと戻すはずです。
また、資本流出であれば、そのマネーの行き先は、筆頭が米国以外考えられないでしょう。米国10年国債利回りが先週末からやけに低下の度合を強めているわけです。
底入れのポイントは二つ
いろいろな底入れのシグナルを考えておくべきなのでしょうが、一番簡単なのは二つです。
(年初来安値更新銘柄数)
一つは、年初来安値更新銘柄数が、最大値をつけて減少に転じるかどうかです。
先週末2日の相場では、東証一部では271銘柄でした。本日は516銘柄です。
これがピークアウトして減少してくると底入れです。200銘柄を割ってくるようだと確実でしょう。この年初来安値銘柄数の変化は、ほぼドンピシャないしは一日くらいの差でかなり正確です。
今日がピークになる可能性が高いのではないかと、個人的には思っています。
(出来高)
もう一つは出来高です。
出来高先行の原則を思い出しましょう。東京市場の出来高が、最大値をつけて減少し始めたら、指数の下落はまだその後も数日は続くかもしれませんが、早晩反転してくると見てよいでしょう。
つまり、売り圧力が減退し始めたということです。本日は若干ですが、先週末の出来高を下回っていますから、明日さらに減少すれば、売り手が一気に後退したということになってきます。
一番わかりやすいこの二つをまずはしっかり押さえて今後数日の相場を見ていきましょう。
戦略方針
すでに日経ダブルインバースETF<1357>の買い持ちとなっていますので、これは反転するまではホールドです。
具体的には、週足の6週移動平均線、21,360円前後を奪回しない以上は、1357の処分は無いということになります。
執筆者 : 松川行雄|有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
大和証券外国株式部勤務の後、投資顧問業を開業。2013年2月ヘッドハンティングにより増田経済研究所に入社。現在同社発行の「日刊チャート新聞」編集長。株式セミナーに於ける投資理論は個人投資家に満足度100%の人気を博す。