【来週の注目材料】6月7月と連続利下げを実施のRBA、今回は据え置きに~豪中銀金融政策理事会
FOMCをクリアし、やれやれとなっていたところに、米国の対中関税第4弾発動が決まり、一気に警戒感が広がった為替市場。
世界最大の経済大国米国と、第二位の経済大国中国の関係悪化は、ドルや人民元の相場だけでなく、世界経済へ影響を与える格好で各通貨に影響が波及します。とくに、対中輸出が経済に占める位置が大きいオセアニア通貨にとっては大きな売り材料となります。
そうした中、来週は豪中銀とNZ中銀の金融政策理事会が開催され、政策金利が発表されます。
まずは6日の豪中銀金融政策理事会です。6月4日に約3年ぶりの利下げに踏み切り、過去最低水準を更新した豪中銀は、7月2日の理事会で連続利下げに踏み切り、同国にとっての過去最低水準を更新。政策金利であるOCR(オフィシャル・キャッシュ・レート)は1.00%となっています。
7月の理事会でロウ中銀総裁は利下げについて、雇用の伸びを支援し、インフレが中期目標に沿った水準に向かう信頼感を高めるものとなると示しました。また、同日の講演で必要に応じて再び金利を調整する用意があると発言しており、追加緩和の可能性を示すものとなりました。
直近では7月25日に行われた総裁の講演において、需要の伸びが十分でなければ、金融政策を一段と緩和して追加的支援を提供する用意があると、ここでも追加緩和に言及しています。
こうした状況を受けて、市場では今回の理事会でのもう一段の下げを少し意識する展開が続いていました。
上述の前回の理事会と同日に行われた講演の中で、今後数カ月で状況がどうなるか緊密に監視するとの発言があったことで、とりあえず秋ごろまでは6月、7月の利下げの影響を確認するのではとの見通しが大勢となっており、少数派ではありましたが、金利市場での織り込みが7月30日時点で25%を超えるなど、それなりの割合に上っていました。
もっとも7月31日に発表された豪第2四半期消費者物価指数(CPI)で雰囲気が変わります。
総合及び刈込平均の前年比が予想を上回る結果に。特に刈込平均は前期から伸びが鈍化する見込みが前期と同水準になり、予想通り前期と同水準を維持した加重平均との平均値である基調インフレ率も予想に反して下がりませんでした。
物価の鈍化が見えない中で3会合連続での利下げはかなりハードルが高いということもあり、元々少数派だった利下げ見通しが後退。金利先物市場動向からみた利下げ確率は10%前後とかなり低いものとなっています。
なお、年内の追加利下げ観測自体は依然として大勢となっており、10月の会合(豪中銀の会合は1月を除く毎月あります)での利下げ見通しが50%を超え、12月までという見通しになると80%を超えています。
今後の利下げ見通しの動向を探るためにも、結果だけでなく声明なども要注意です。
声明などで今後の追加利下げを意識させるような内容が出てくると、豪ドル売りに。豪ドル円は2016年に下値進行を止めた72円手前が意識されます。
minkabu PRESS編集部 山岡和雅

執筆者 : MINKABU PRESS
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