長期金利が上昇してくるかどうかが課題
FOMC後、一日目。イベント前のポジション整理が一巡か
本日は、FOMC後、初の東京市場。米国市場が下げて終わっていたことから、東京も軒並み主要移動平均線を割ってスタート。
25日線、200日線、3月の月中平均、そして一時は最終防衛ラインの50日線もわずかに割り込む有様。
ただ、これはすでに述べていたように、第一次反応ですから、まったく当てになりません。この後、売り一巡して、相場が落ち着いて、そこからどう動くかがポイントでした。
早ければザラ場の東京でその兆候が表れるだろうとは考えていました。
グローベックス市場ではNYダウ工業株先物がトントンから20ドル高の気配でしっかり。これを受けて東京市場もプラス圏に浮上。
後場東京市場が一時再び甘くなったのは、中国上海市場が続落となっていたためでしょう。米中協議がどうも今のところは不調のようですから、それが嫌気されている可能性はあります。上海コンポジットは50日線割れ(東京引け時点)。
結局本日の東京市場は、19円高の21,540円。
グローベックスは東京の引け時点ではNYダウ工業株先物が20ドル安と小甘く、今晩のアメリカで本格的に第二次反応となってくるわけです。これも期待としては反発ということなのですが、明晩の雇用統計から来週末の日本のSQまでは、月間で一番下がりやすい「アノマリー」です。ここをしっかりしのいでくれることを期待しています。
銀行株が上昇している
この状況下で、東京市場は前場の前半でたちまちプラスに浮上。
第二次反応が、「長期金利上昇を伴う株高」という最も理想的な相場展開になっていくかどうかは、二つのポイントでした。
一つは、半導体のような先行業種が売りに抗って上昇できるか。
もう一つは、銀行株が上昇できるか。(みずほ<8411>、三菱UFJ<8306>など大陽線)
この二つでした。
そして、両方とも満たした一日となったことで、恐らく第二次反応は、今後米国10年国債利回りが上昇し、それにともない国債→株への資金シフトが進んで、上昇トレンドに回帰するというシナリオが、一応は現実味を帯びてきたというところです。
まだFOMC後1日なので、確証はありませんが、期待はしても良いのではないでしょうか。為替もドル円は109円台に乗せています。これもいわば米国金利上昇を見越しているとすれば、説明はつきそうです。
花王売り、トヨタ買い
象徴的なベンチマークにもそうした色合いは反映されています。
決算発表を嫌気したディフェンシブのブルーチップ花王<4452>が3日続落で、完全に相場が壊れてしまいました。
一方、以前から堅調さを維持していた景気敏感系の指標銘柄・トヨタ自動車<7203>は1%と値幅をもった上昇。
このへんに、相場の物色動向をかいまみることができるような気がします。
なお、OLC<4661>は高値更新ですが、これはおそらくディフェンシブのベンチマークというよりも、夏休みというシーズンストック的な意味合いが強いのではないかと想像しています。
戦略方針
日経レバレッジETF<1570>の買い持ちです。微妙に6週線を割っているので、大変判断に困ります。今のところは1570のホールドのままです。
執筆者 : 松川行雄|有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
大和証券外国株式部勤務の後、投資顧問業を開業。2013年2月ヘッドハンティングにより増田経済研究所に入社。現在同社発行の「日刊チャート新聞」編集長。株式セミナーに於ける投資理論は個人投資家に満足度100%の人気を博す。