日経5日線割れだが、主要3線が岩盤サポート
7月はほぼ横一線の膠着相場
日経平均は前半下げて始まりました。
日中のアノマリーは前場の場合、10時から10時半の売買一巡ですが、ちょうど10時に本日安値の21,518円まで下げて、そこから切り返し。
その後は、やはり大きなイベント目白押ですから、週初の段階からポジションを積極的にしようとは思わないのでしょう。むしろ益出し優先なのか、ポジションを軽くしようということなのか、軟調な一日で終わりました。一応下げ幅縮小です。
結局日経平均は41円安の21,616円。
5日線を割りましたが、25日・50日・200日線の主要3線が次第に収斂する帯域が、岩盤のようになって日経平均の値崩れを支えている格好です。妙な動きがあったのは、引け際です。いきなり出来高を増やしてぽんと21,574円から21,616円に切り上がって終わりました。売り方が一日にわたって都度売り叩いてみたものの、崩れないので買い戻したと言う感じでしょうか。
最終防衛ラインは50日線、21,282円です。そして国内機関投資家が一番気にする損益分岐水準が、3月の月中平均、つまり21,414円です。
ちなみに、200日線が21,490円、25日線が21,518円。
本日終値 21,616円
25日線 21,518円
200日線 21,490円
3月の月中平均 21,414円
50日線 21,282円
本日、外部環境も静かでした。グローベックス市場ではNYダウ工業株先物が20ドル前後の気配切り下げ。上海コンポジット指数は東京引け時点では0.22%の下落と軽微でした。
様子見マネーは、ディフェンシブに逃避
当初、東証REIT指数の高値更新をはじめ、任天堂<7974>やOLC<4661>の切り返し・続伸というように、ディフェンシブ系がしっかりで、景気敏感系、とくに設備投資関連は下落するものが目立っていました。
センチメントを悪化させたのは、やはりキーエンス<6861>の値崩れでしょう。200日線割れまでありました。
ただ、東京エレクトロン<8035>は下げたとはいっても、軽微なものに留まっていますから、意外に株価変動率の高い半導体はしっかり耐久力を見せています。
相場は押してもやむを得ないタイムゾーン
今週はなにしろイベントが目白押です。
前半から水曜日(31日)まで、日銀会合、FOMC、米中協議、日本企業の4-6月決算発表集中となります。
後半は週末金曜日に米雇用統計発表、そしてトヨタ自動車の決算発表が控えています。
この雇用統計から来週末金曜日の日本のSQまでが、一番月間では下がりやすい「アノマリー」期間になります。
従って、押しが入ってくるとすれば、今週から再来週の間に起こりうるわけです。
相場は押して当たり前。下がらなければラッキーというくらいのものです。
戦略方針
日経レバレッジETF<1570>の買い持ちです。しかし、週足のルールである6週移動平均線を割り始めているので、ドテン反対売買のシグナルが点滅し始めています。これを割ると、ドテン反対売買の判断を迫られます。
それを早めに行うか、それとも微弱な下げにとどまるのなら、週末確定足が決まる直前までぎりぎり待ってみるということにするか、それは相場次第です。
執筆者 : 松川行雄|有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
大和証券外国株式部勤務の後、投資顧問業を開業。2013年2月ヘッドハンティングにより増田経済研究所に入社。現在同社発行の「日刊チャート新聞」編集長。株式セミナーに於ける投資理論は個人投資家に満足度100%の人気を博す。