【ロンドン市場】ドルが反発、週末控えた調整やリスク不透明感で
21日のロンドン市場は、ドル相場が反発している。週末を控えて米FOMC後に進行したドル安の動きに調整が入った。米10年債利回りは一時2.05%まで上昇、ドル買いの動きにつながった。また、リスク警戒感がドル買いを誘う面も。序盤に堅調だった欧州株が次第に上げを失っている。トランプ米大統領、イランに対する攻撃が迫っていると警告、交渉呼びかけ、と報じられており、米国とイランの緊張が高まっている。ポンドドルや豪ドル/ドルなどが下落しており、クロス円も上値が重くなっている。一方、ユーロ相場は比較的底堅く推移。この日発表された一連の6月欧州PMI速報値が予想を上回っており、今週ドラギECB総裁が指摘した欧州の景気減速への思惑が緩和された面があったようだ。ユーロドルは1.13近辺、ユーロ円は121円台半ばと堅調。ドル円は東京午後に107.05レベルまで下落したが、ロンドン市場では107.58レベルまで上昇している。
ドル円は107円台半ばでの取引。東京午後に107.05レベルまで下落したが、大台割れは回避された。ロンドン勢は買いの動きを強めており、米債利回り上昇とともに107.58レベルまで反発した。米10年債利回りは一時2.05%近辺まで反発した。ただ、前日海外市場での高値には届かず、欧州株も序盤の上昇の勢いは一服。米国とイランの緊張の高まりなど不透明感もあって107円台半ばにとどまっている。
ユーロドルは1.13台前半での取引。序盤に1.1283レベルまで下押しされたが、その後は上昇に転じている。この日発表されたフランスやドイツの6月PMI速報値が予想外の回復をみせたことがユーロ買いにつながった。ドラギECB総裁の追加緩和発言以来、ユーロ圏の景気鈍化への警戒感が増していたが、ひと安心の結果となっている。ユーロドルは1.1318レベルまで高値を伸ばした。ユーロ円はドル円とともに堅調な動き。121円ちょうど近辺から121.65レベルまで反発した。対ポンドでも強い動き。ユーロポンドは0.89台を回復し、0.8940近辺へと高値を伸ばしている。
ポンドドルは1.26台半ばでの取引。ユーロドルとは対照的に軟調な動き。1.27台が重くなり、安値を1.2643レベルまで広げた。ユーロ円は序盤に136.50近辺まで反発したが、その後は上値重く下押し。安値を135.95レベルに広げている。ポンド関連の目立った材料はでていないが、週末を控えて対ドルや対ユーロでのポジション調整が入った格好。EU首脳らはEU離脱合意の交渉には応じないと繰り返した。
minkabu PRESS編集部 松木秀明