ユーロは売り優勢 イタリア政局が再びきな臭く=NY為替
きょうのNY為替市場はドル買いが優勢となる中、ユーロドルは売りが優勢となっており1.11ドル台に再び下落している。きのうはトランプ政権の輸入自動車の関税措置の6ヵ月延期が伝わりユーロは買い戻しが強まった。ただ、1.1220ドル付近で上げを止められており上値が重くなっている印象は否めない。
きょうはNY時間に入ってイタリアのサルビーニ副首相の「イタリアもルールを無視するトランプ大統領のような衝撃が必要」との発言に敏感に反応し売りが強まっている。同副首相は今週、「雇用拡大に必要ならEUの財政規則に違反する用意がある」とも述べていた。
イタリアの政局が再びきな臭くなっており、ユーロ売りのきっかけを作り出しているようだ。サルビーニ副首相は財政拡大を主張しているが、連立パートナーのディマイオ副首相はそれに真っ向から反対している。
連立関係に不穏な雰囲気が漂う中、5月26日に予定されている欧州議会選挙でサルビーニ副首相率いる「同盟」が高い得票率を獲得できれば、ディマイオ副首相率いる「五つ星」との連立解消の道を模索するとも見られている。
世論調査では「同盟」が躍進しそうな勢いもあり、35%超を得票すれば連立を解消し、他の連立パートナーを探すとの見方も出ている。政府の見解が一貫したものになるとの期待もあるものの短期的には不確実性が高まる。そして、EUの財政規律が守られない可能性が高まり、イタリア国債は再度不安定になり、昨年終盤のように利回りが急上昇する恐れもある。ユーロにとってはネガティブ要因ではある。
EUR/USD 1.1179 EUR/JPY 122.78 EUR/GBP 0.8738
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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