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【通貨別まとめと見通し】スイス円:日米の「円安牽制砲」で192円の防衛線が陥落、安全資産としての買いも介入警戒に屈する

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【通貨別まとめと見通し】スイス円:日米の「円安牽制砲」で192円の防衛線が陥落、安全資産としての買いも介入警戒に屈する

先週から週明け(9月21日〜9月28日)のまとめ
先週前半は、中東情勢の緊迫化を背景とした安全資産としてのスイスフラン買いと、原油高・米金利高に伴う全般的な円売りの流れが重なり、スイス円は191円台後半から192円台での強含みの推移を見せていた。しかし、週末にかけて日米当局による強烈な「円安牽制発言」が相次いで報じられると、市場の空気は一変した。介入への警戒感からクロス円全般でパニック的な円買い戻し(ショートカバー)が進行。スイス円も強固なサポートであった192.00円の大台を明白に割り込み、週明け28日(月)には一時188円台後半まで突っ込む大幅下落となった。目線は完全に下を向いており、戻り売りの優位性が極めて高い下落トレンドへと移行している。

詳細な値動きの振り返り
■ 安全資産としての需要と円安に支えられた強含み(9月21日〜24日)
週前半から半ばにかけては、イランとイスラエルを巡る中東情勢の緊張(地政学リスク)を背景に、安全資産としてフランを買う動きが根強かった。同時に、米10年債利回りの上昇を受けた全般的な円安基調にも支えられ、スイス円は191円台後半から192円台前半での底堅い推移を継続。24日(木)のNY時間にかけては192円台半ばまで上値を伸ばし、さらなる上値追いのエネルギーを溜めているかのように見えた。

■ 日米当局の「円安牽制砲」炸裂と192円大台の陥落(9月25日)
相場の景色が一変したのは週末25日(金)である。片山財務相や高市首相、そして三村財務官による強い口調での円安牽制発言が報じられた。特にトランプ大統領が円相場の過小評価に懸念を示したという事実が、市場に「160円=実弾介入」という強烈な警戒感を抱かせた。これによりポジション調整の猛烈な円買いが殺到。スイス円は死守していた192.00円のサポートをあっさりと割り込み、週末のNY時間にかけて189円台後半へと急落した。

■ 投げ売り連鎖と188円台への突入(9月28日〜足元)
週明け28日(月)は、先週末の下落の流れを引き継ぎ神経質な展開となった。欧州時間からNY時間にかけて売りが加速し、一時188.60円台まで下値を切り下げる場面が見られた。足元(29日昼)は189円付近での揉み合いとなっているが、自律反発の勢いは極めて弱く、戻り売りに上値を抑え付けられる苦しい展開が続いている。

ファンダメンタルズ分析
欧州(スイス)側:安全資産としての需要は底堅いものの、円買いの波には逆らえず
スイス中銀(SNB)の利下げサイクルは続いているものの、中東情勢の不透明感を背景とした「安全資産(セーフヘイブン)」としてのフラン需要は根強い。対ユーロや対ドルなどではフランの底堅さが目立つ局面もある。しかし、今回の下落はスイス側の要因ではなく、ひとえに「強烈な円買い(介入警戒)」の波に飲み込まれた結果であり、フラン単独の強さでは抗いきれない状況となっている。

日本・米国側:トランプ大統領の懸念表明と「レッドライン」の明確化
先週最大のテーマは日米当局による「円安牽制」である。トランプ大統領の懸念表明により、ドル円の160円ラインが「絶対防衛線(レッドライン)」として市場に強烈に意識された。これにより、比較的ボラティリティが低くキャリートレードの対象になりやすいスイス円においても、リスク回避的なポジションの巻き戻し(円買い戻し)が猛烈な勢いで進行している。

テクニカル分析
トレンド判断
192円台での保ち合いを明確に下抜けたことで、短期・中期のチャート形状は完全な「下落トレンド」へと転換した。特筆すべきは、これまで強力なサポートとして機能していた192.00円の大台や191円台が、今後は分厚い「レジスタンス(上値抵抗帯)」へとロールリバーサル(役割転換)を果たしてしまった点である。移動平均線もデッドクロスを形成し下向きに角度を変えており、自律反発が生じても戻り売り(ショート)の絶好の場として機能しやすい地合いとなっている。

【スイス円 主要なレジスタンス・サポートライン(大幅見直し)】

(上値抵抗帯)
レジスタンス3: 191.80 - 192.00円 (かつての強固なサポート帯、大台の心理的節目)
レジスタンス2: 190.50 - 190.70円 (急落過程での戻り高値水準)
レジスタンス1: 189.80 - 190.00円 (直近のリバウンドで上値を抑えられたポイント、大台節目)

(下値支持帯)
サポート1: 188.60 - 188.70円 (足元の突っ込み安値水準)
サポート2: 187.80 - 188.00円 (中長期的なテクニカルの節目、心理的大台)
サポート3: 186.50 - 186.70円 (ここを明白に割れると下落トレンドの加速警戒)

今週のポイント・見通し
今週の焦点は、介入警戒感が市場を覆う中、「反発の弱さ(戻り売りの優位性)を確認しつつ、下値をどこまで切り下げるか」にある。

【メインシナリオ】戻り売り優勢の展開、189円台を背に188円割れをトライへ
日米当局の強い牽制により、投機筋による新たな円売り(フラン買い)ポジションの構築は極めて困難な状況となっている。安全資産としての需要から189円台後半〜190円付近まで反発する場面があっても、介入を警戒した戻り売り圧力に上値を叩かれる展開が想定される。上値をジリジリと切り下げ、足元の安値である188.60円付近を割り込めば、次のターゲットである188.00円の大台に向けた下落が進行する動きを見込む。

想定レンジ: 187.80 - 190.50円
根拠: 日米当局の強烈な円安牽制による介入警戒感とポジションの巻き戻し、190円〜191円台のレジスタンス化。

【対抗シナリオ】地政学リスクの極度な高まりによるフラン単独の急騰
中東情勢が決定的に悪化(イランとの武力衝突など)し、グローバルな株価大暴落などの強烈なリスクオフが発生した場合。円買い(リスク回避の円買い)も進むが、それ以上に「究極の安全資産」としてのスイスフランへ世界中の資金が逃避するシナリオ。この場合、円高圧力を跳ね返すほどのフラン単独の急騰劇となり、ショートカバーを巻き込んで190円台を力強く上抜け、再び191円台〜192円回復を試す展開もあり得る。

想定レンジ: 188.80 - 191.80円
根拠: 地政学リスクの極度な悪化に伴う強烈な「安全資産(フラン)」への逃避需要、突発的なリスクオフ。

総評
ファンダメンタルズにおける「日米金利差」や「安全資産需要」というフラン買い要因に対し、日米当局による「介入警戒感(トランプ大統領の懸念)」という極めて強力なストッパーが発動した格好だ。市場はドル円の160円ラインを「絶対防衛線」と強烈に意識しており、スイス円においても無闇な買い向かい(逆張りロング)は危険な状態となっている。

基本戦略としては、他のクロス円と同様に「戻り売り(ショート)」をメインシナリオとして推奨する。190.00円の大台を明確に日足終値レベルで回復しない限り、基調は下向きと判断すべきだ。189円台後半への反発を引き付けてからのショートメイクが優位性の高いトレードとなるだろう。中東情勢のヘッドラインで突発的に(上下どちらにも)激しく振れるリスクが高いため、ストップロスの徹底など厳格な資金管理が必須の局面である。

今週の主な予定
スイス
09/29 16:00 KOFスイス先行指数 (9月) 予想 105.7 前回 106.7
10/01 15:30 消費者物価指数(CPI) (9月) 予想 0.0% 前回 0.4% (前月比)
10/01 15:30 消費者物価指数(CPI) (9月) 予想 1.1% 前回 0.8% (前年比)
10/01 15:30 小売売上高 (8月) 前回 2.3% (前年比)
10/01 16:30 製造業PMI(購買担当者景気指数) (9月) 予想 55.6 前回 57.1

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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