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【通貨別まとめと見通し】南アランド円:日米当局の介入警戒に押され上値重く、9.50円台での正念場を迎える

為替 

【通貨別まとめと見通し】南アランド円:日米当局の介入警戒に押され上値重く、9.50円台での正念場を迎える

先週から週明け(9月21日〜9月28日)のまとめ
先週前半の南アランド円は、高金利を背景とした底堅さを見せ、9.60円台後半から9.70円台をうかがう推移となっていた。しかし、週末にかけて日米当局による相次ぐ「円安牽制発言」が飛び出すと、高金利通貨へのキャリートレードの巻き戻し(円買い)が優勢となった。他の主要クロス円ほどのパニック的な大暴落には至らなかったものの、上値の重さは明白となり、週明け28日(月)には9.50円台半ばまでジリジリと下値を切り下げる展開となった。目線は下向きに傾きつつあり、戻り売り圧力が警戒されるフェーズへと移行している。

詳細な値動きの振り返り
■ 高金利を支えとした底堅い揉み合い(9月21日〜24日)
週前半から半ばにかけては、資源価格の底堅さや高金利通貨特有のキャリー需要に支えられ、ランド円は9.60円台を中心とした底堅い推移を継続。23日(水)から24日(木)にかけては一時9.73円付近まで上値を伸ばす場面もあり、他通貨が伸び悩む中でも新興国・高金利通貨としての粘り強さを発揮していた。

■ 日米当局の「円安牽制砲」と上値の圧迫(9月25日)
潮目が変わったのは週末25日(金)である。片山財務相や高市首相、三村財務官による強い口調での円安牽制発言が相次ぎ、トランプ大統領の円安懸念も判明したことで、市場に「実弾介入」への恐怖が走った。ランド円自体は9.60円台後半で下げ渋る動きを見せたものの、クロス円全般が急落する中で明確に上値を抑え込まれ、9.70円の大台回復は絶望的な状況となって週末を越えた。

■ じり安の展開と9.50円台半ばへの下落(9月28日〜足元)
週明け28日(月)は、介入警戒感を背景としたポジション調整の円買いが継続。欧州時間からNY時間にかけて売りが優勢となり、一時9.54円台まで下落した。足元(29日昼)は9.56〜9.58円付近での揉み合いとなっているが、自律反発の勢いは極めて弱く、上値の重い展開が続いている。

ファンダメンタルズ分析
南アフリカ側:高金利の魅力と資源価格のサポートは健在も、リスクオフに警戒
南アフリカは高金利(政策金利8%台水準)を維持しており、キャリートレードの対象としての魅力は根強い。また、足元の中東情勢を受けた金(ゴールド)などの資源価格の高止まりは、資源国通貨であるランドの一定のサポート要因となっている。しかし、新興国通貨特有の「グローバルなリスク回避(リスクオフ)時の脆弱さ」は否めず、世界的な株安懸念が高まれば単独での上昇は難しい。

日本・米国側:トランプ大統領の懸念表明による強烈な巻き戻し
先週最大のテーマは日米当局による「強烈な円安牽制」である。トランプ大統領の懸念表明により、市場はドル円の160円ラインを「絶対防衛線」として強く意識し始めた。これにより、最も金利差の恩恵を受けていた新興国クロス円においても、介入警戒によるリスク回避的なポジションの巻き戻し(円買い戻し)圧力が重くのしかかっている。

テクニカル分析
トレンド判断
9.70円台で上値を完全に抑え込まれ、徐々に高値を切り下げる「下落トレンド」の形状へと移行しつつある。特筆すべきは、直近のリバウンド局面でも9.60円台半ば〜後半が分厚い「レジスタンス(上値抵抗帯)」として機能している点だ。日足・時間足の移動平均線も下向きに角度を変えており、自律反発が生じても戻り売り(ショート)に押されやすい地合いとなっている。

【南アランド円 主要なレジスタンス・サポートライン(大幅見直し)】

(上値抵抗帯)
レジスタンス3: 9.68 - 9.70円 (先週の高値圏、強力な上値抵抗帯)
レジスタンス2: 9.64 - 9.65円 (直近の揉み合いで上値を抑えられた水準)
レジスタンス1: 9.59 - 9.60円 (心理的節目、短期的な戻り売りポイント)

(下値支持帯)
サポート1: 9.54 - 9.55円 (直近の突っ込み安値水準)
サポート2: 9.48 - 9.50円 (9月中旬の安値圏、強力な心理的節目)
サポート3: 9.38 - 9.40円 (ここを明白に割れると一段の下落リスクが高まる水域)

今週のポイント・見通し
今週の焦点は、介入警戒感とリスクオフの空気が漂う中、「上値の重さを確認しながら、強力なサポートである9.50円を維持できるか」にある。

【メインシナリオ】戻り売り優勢のジリ安展開、9.50円大台の攻防へ
日米当局の強い牽制により、投機筋による積極的な円売り(ランド買い)は極めて手が出しづらい状況となっている。高金利目当ての押し目買いが入って9.60円付近に反発する場面があっても、介入を警戒した利益確定や戻り売りに上値を叩かれる展開が想定される。上値をジリジリと切り下げ、足元の安値である9.54円付近を割り込めば、重要サポートである9.50円の大台に向けた下落トレンドが進行する動きを見込む。

想定レンジ: 9.48 - 9.65円
根拠: 日米当局の強烈な円安牽制による介入警戒感、キャリートレードの巻き戻し圧力、9.60円台以上のレジスタンス化。

【対抗シナリオ】資源高と高金利選好の復活による9.60円台の回復
中東情勢の緊迫化などで金や原油などの資源価格がさらに一段高となり、資源国通貨としてのランドの魅力が再評価された場合。加えて、米国の株式市場などが落ち着きを取り戻し、投資家のリスク選好ムード(リスクオン)が復活するシナリオ。この場合、高金利を狙ったキャリートレードが再開し、ショートカバーを伴って9.60円台を力強く上抜け、再び9.70円方向を試す展開もあり得る。

想定レンジ: 9.55 - 9.75円
根拠: 資源価格(金・原油)の高騰恩恵、高金利通貨への資金還流(リスクオン)、短期的な売られすぎ感からの自律反発。

総評
南アランド最大の武器である「高金利(スワップポイント)」という買い材料に対し、日米当局による「介入警戒感(トランプ大統領の懸念)」という強力なストッパーが機能している格好だ。市場全体が円買い戻しに傾いている以上、ランド円単独での上昇には限界がある。

基本戦略としては、他のクロス円と同様に「戻り売り(ショート)」をメインシナリオとして推奨する。9.60円の大台を明確に日足終値レベルで回復しない限り、基調は下向きと判断すべきだ。9.58円〜9.60円付近への反発を引き付けてからのショートメイクが優位性の高いトレードとなるだろう。新興国通貨特有の突発的なボラティリティの拡大に備え、ストップロスの設定など厳格な資金管理が必須の局面である。

今週の主な予定
南アフリカ
09/30 15:00 マネーサプライM3 (8月) 前回 8.57% (前年比)
09/30 18:30 生産者物価指数(PPI) (8月) 前回 -1.0% (前月比)
09/30 18:30 生産者物価指数(PPI) (8月) 前回 5.7% (前年比)
09/30 21:00 貿易収支 (8月) 予想 185.0億ランド 前回 201.0億ランド

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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