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【通貨別まとめと見通し】メキシコペソ円:日米当局の介入警戒に屈し9.00円の大台陥落、戻り売りの下落トレンドへ

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【通貨別まとめと見通し】メキシコペソ円:日米当局の介入警戒に屈し9.00円の大台陥落、戻り売りの下落トレンドへ

先週から週明け(9月21日〜9月28日)のまとめ
先週前半は、原油価格の高騰や高金利通貨としての魅力を背景に、メキシコペソ円は9.40円台を中心とした高値圏での推移を見せていた。しかし、週末にかけて日米当局による「円安牽制発言」が相次いで報じられると、クロス円全般を巻き込む形で強烈な円買い(ペソ売り)が進行。心理的節目であった9.00円の大台を明白に割り込む急落劇となった。週明け28日(月)には一時8.79円台まで下落し、その後は8.80円台〜8.89円付近での上値の重い揉み合いが続いている。チャート形状は完全に下落トレンドへと転換しており、戻り売りの優位性が高い相場環境となっている。

詳細な値動きの振り返り
■ 原油高を背景とした高値圏での保ち合い(9月21日〜24日)
週前半から半ばにかけては、中東情勢を背景とした原油価格の上昇が産油国通貨であるメキシコペソの支援材料となった。また、メキシコの高金利(11.25%水準)を背景としたキャリートレードの需要も根強く、ペソ円は9.30円〜9.40円台での底堅い推移を継続。24日(木)には一時9.06円台まで急落する場面も見られたが、直後に買い戻されるなど、押し目買い意欲の強さを窺わせていた。

■ 日米当局の「円安牽制砲」炸裂と9.00円大台陥落(9月25日)
相場の前提が崩れたのは週末25日(金)である。片山財務相や高市首相、そして三村財務官による強い口調での円安牽制発言が報じられた。特にトランプ大統領が円相場の過小評価に懸念を示したという事実が、市場に「実弾介入」への強烈な警戒感を抱かせた。これにより、積み上がっていた円キャリー取引(円売り・ペソ買いポジション)の巻き戻しが一斉に発生。ペソ円は9.10円台から一気に下落し、心理的かつテクニカルな節目であった9.00円の大台をあっさりと陥落して週末を迎えた。

■ 投げ売り連鎖と8.70円台への突入(9月28日〜足元)
週明け28日(月)は、介入警戒感とポジション調整の投げ売りが継続し、下値を探る展開となった。欧州時間からNY時間にかけて売りが加速し、一時8.79円台へと下落。足元(29日昼)は8.75円〜8.80円台で推移しているが、自律反発の勢いは極めて弱く、戻り売りに上値を抑え付けられる苦しい展開が続いている。

ファンダメンタルズ分析
メキシコ側:高金利の魅力と原油高のサポートは継続も、リスクオフに弱さ
メキシコ中銀は11.25%という高金利を維持しており、キャリートレードの対象通貨としての魅力は依然として高い。また、足元の原油価格の上昇も産油国通貨としてプラス材料である。しかし、新興国通貨特有の「リスクオフ(リスク回避)時の脆弱さ」が今回は露呈した。グローバルな株安懸念や介入警戒感といった外部環境の悪化に対し、ペソ単独の好材料では抗いきれない状況となっている。

日本・米国側:トランプ大統領の懸念表明による強烈な巻き戻し
先週最大のテーマは日米当局による「円安牽制」である。トランプ大統領の懸念表明により、ドル円の160円ラインが「絶対防衛線」として市場に強烈に意識された。これにより、最も金利差の恩恵を受けていたメキシコペソ円などの高金利クロス円において、リスク回避的なポジションの巻き戻し(円買い戻し)が猛烈な勢いで進行している。

テクニカル分析
トレンド判断
9.00円の大台を明確に下抜けたことで、中長期的な上昇トレンドは一旦白紙となり、短期・中期的に明確な「下落トレンド」へと転換した。特筆すべきは、これまで強力なサポートとして機能していた9.00円〜9.10円のゾーンが、今後は分厚い「レジスタンス(上値抵抗帯)」へとロールリバーサル(役割転換)を果たした点である。移動平均線もデッドクロスを形成しており、戻り売り(ショート)の絶好の地合いとなっている。

【メキシコペソ円 主要なレジスタンス・サポートライン(大幅見直し)】

(上値抵抗帯)
レジスタンス3: 9.08 - 9.10円 (中長期的な節目、かつての強固なサポート帯)
レジスタンス2: 9.00 - 9.02円 (大台の心理的節目、強力な戻り売りポイント)
レジスタンス1: 8.89 - 8.90円 (直近の下落過程での揉み合い下限)

(下値支持帯)
サポート1: 8.74 - 8.75円 (足元の突っ込み安値水準)
サポート2: 8.60 - 8.65円 (過去の滞空時間が長いゾーン、中期的な節目)
サポート3: 8.50 - 8.52円 (心理的節目、ここを割れると下落トレンドの加速警戒)

今週のポイント・見通し
今週の焦点は、介入警戒感が市場を覆う中、「反発の弱さを確認しつつ、下値をどこまで切り下げるか」にある。

【メインシナリオ】戻り売り優勢の展開、8.80円を背に8.60円台トライへ
日米当局の強い牽制により、投機筋による新たな円キャリー取引(円売り・ペソ買い)の構築は極めて困難な状況となっている。高金利目当ての押し目買いが入って8.80円台後半〜8.90円付近まで反発する場面があっても、介入を警戒した戻り売り圧力に上値を叩かれる展開が想定される。上値をジリジリと切り下げ、足元の安値である8.74円付近を割り込めば、次のターゲットである8.60円台に向けた下落が進行する動きを見込む。

想定レンジ: 8.60 - 8.95円
根拠: 日米当局の強烈な円安牽制による介入警戒感とキャリートレードの巻き戻し、9.00円大台のレジスタンス化。

【対抗シナリオ】原油価格のさらなる急騰によるリスク選好の回復
中東情勢の緊迫化などで原油価格がさらに一段高となり、産油国通貨としてのペソの魅力が再評価された場合。加えて、米国の株式市場などが落ち着きを取り戻し、全体的なリスク選好ムード(リスクオン)が復活するシナリオ。この場合、高金利を狙ったキャリートレードが再開し、ショートカバーを伴って8.90円台を力強く上抜け、再び9.00円の大台回復を試す展開もあり得る。

想定レンジ: 8.75 - 9.10円
根拠: 原油高の恩恵、高金利通貨への資金還流(リスクオン)、短期的な売られすぎ感からの自律反発。

総評
メキシコペソの最大の魅力である「高金利(スワップポイント)」というファンダメンタルズに対し、日米当局による「介入警戒感(トランプ大統領の懸念)」という極めて強力なストッパーが発動した格好だ。市場はドル円の上値を重く見ており、ペソ円においても無闇な買い向かい(逆張りロング)は危険な状態となっている。

基本戦略としては、他のクロス円と同様に「戻り売り(ショート)」をメインシナリオとして推奨する。9.00円の大台を明確に日足終値レベルで回復しない限り、基調は下向きと判断すべきだ。8.80円台後半〜8.90円付近への反発を引き付けてからのショートメイクが優位性の高いトレードとなるだろう。新興国通貨特有のボラティリティの高さに留意し、ストップロスの徹底など厳格な資金管理が必須の局面である。

今週の主な指標
09/28 21:00 貿易収支 (8月) 結果 6.054億ドル 予想 15.3億ドル 前回 -8.475億ドル

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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