【来週の注目材料】米インフレターゲットの対象指標に注目=米PCE価格指数
【来週の注目材料】米インフレターゲットの対象指標に注目=米PCE価格指数
物価統計への注目が世界的に高まる中、米国のインフレターゲットの対象である4月のPCE(個人消費支出)価格指数が28日に発表されます。前回3月分は前年比+3.5%と原油高の影響を受けて2月の+2.8%から一気に伸びが加速。食品とエネルギーを除くコアPCE前年比は+3.2%と2月の+3.0%から小幅に伸びが強まるという結果が見られました。今回の市場予想は前年比+3.9%と前回からさらに大きく伸びる見込みとなっています。コアPCE前年比は+3.3%と小幅ながらもこちらも伸びが強まる見込みです。
発表済みの関連指標をみると、同種の指標である12日発表の4月米消費者物価指数(CPI)は前年比+3.8%と3月の+3.3%から一気に伸びが加速。市場予想の+3.7%も上回りました。食品とエネルギーを除くコア前年比は+2.8%となり、3月の+2.6%、市場予想の+2.7%から伸びが強まりましたが、伸び自体は落ち着いたものになっています。サプライズな強さを見せたのが13日の4月の米生産者物価指数(PPI)で、前年比+6.0%と3月の+4.3%から一気に加速。市場予想の+4.8%も大きく上回りました。食品とエネルギーを除くコア前年比も+5.2%と3月の+4.0%、市場予想の+4.3%を大きく上回る伸びとなっています。PPIのうち、PCEの算出に利用される項目を確認すると、航空運賃が前年比+15%と3月の+10.7%から大きく伸びています。ポートフォリオ管理費は前月比-2.4%と低下を見せていますが、前年比でみると+16.3%と3月の+10.8%から伸びています(2025年の3月から4月にかけて同指数が-6.9%の大きな鈍化になったためです)。一方、医療費関連は入院治療費やナーシングホーム(欧米でよくみられる24時間の医療体制が整備された老人ホーム)などが前回から伸びが鈍化、かかりつけ医や終末医療は上昇とまちまちで、医療関連で均すとほぼ横ばいという状況となっています。14日に発表された4月の米輸入・輸出物価指数は輸入物価が前年比+4.2%と3月の+2.3%、市場予想の+2.9%を大きく上回り、輸出物価が前年比+8.8%と3月の+5.4%、市場予想の+5.9%を大きく上回る伸びとなっています。
こうした状況をみると、PCEの大幅な伸び予想はそれほど違和感のあるものではありません。ただ、PCEはCPIに比べて医療関連が全体に占める割合がかなり大きく、逆に今回CPIが予想を大きく上回った要因の一つである住居費(前年比+3.3%、3月は+3.0%)が占める割合がCPIの半分程度しかありません。そのため、予想ほど高い伸びにならない可能性には注意したいところです。予想をしっかりと下回った場合は、年内利上げ観測を後退させる形でドル売りとなる可能性があります。
MINKABUPRESS 山岡
執筆者 : MINKABU PRESS
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