エネルギー株の下げ目立つ 原油急落で自社株買いに暗雲も=米国株個別
(NY時間12:51)(日本時間01:51)
エクソンモービル<XOM> 105.12(-3.24 -2.99%)
シェブロン<CVX> 135.26(-4.04 -2.90%)
シュルンベルジェ<SLB> 32.87(-1.25 -3.65%)
オキシデンタル<OXY> 39.13(-1.22 -3.03%)
ハリバートン<HAL> 19.72(-0.80 -3.88%)
エクソンモービル<XOM>やシェブロン<CVX>などエネルギー株の下げが目立っている。本日も原油相場が急落しており、関連株の下げに繋がっているが、本日のWTI6月限は一時57ドル台まで下落する場面が見られていた。
サウジアラビアが低価格状態でも長期に渡り耐えられるとの報道が売りを呼び込んでいる模様。OPECプラスが長期に渡り増産させるのではとの懸念が高まっている。OPECプラスは来週の総会で、追加増産に合意する可能性があり、これが世界的な供給過剰を招くとの既存の懸念をさらに強化している。また、カナダやガイアナなどの非OPEC国も供給を増やす見込み。
市場では、世界の二大消費国である米中の貿易交渉の早期進展への期待が後退しており、エネルギー需要の見通しは暗雲に覆われている。加えて、米経済は第1四半期にマイナス成長となり、中国の製造業PMIも50を下回り、縮小に転じていた。
一方、エネルギー企業によるここ数年の活発な自社株買いが、終わりを迎える可能性が出てきたとの指摘が出ている。S&Pグローバルのデータによると、米大手エネルギー企業は2024年、四半期に平均で167億ドルを自社株買いに費やした。2023年は175億ドル程度。
トランプ大統領による関税措置が始まってから、原油価格は13%余り下落。今週発表されるエクソンモービル<XOM>とシェブロン<CVX>の決算では、自社株買いの勢いが鈍る兆しが見られるかどうかに注目が集まっている。
エネルギー企業の自社株買いはコモディティ価格と密接に関連する。原油下落は売上高やフリーキャッシュフロー(FCF)を圧迫。S&Pグローバルは、原油相場が崩れた2020年の第2四半期には、自社株買いが僅か6000万ドルまで減少していたと指摘。
発行済み株式数を減らし、株主に利益を還元する自社株買いは、株価にとって好材料となることが多い。米大手証券のアナリストは、北海ブレント先物が50ドルまで下落した場合、石油精製業者による自社株買いは、ほぼゼロまで削減される可能性が高いと予測している。60ドルに留まった場合でも、エクソンモービルとシェブロンの自社株買いは抑制されるだろうと述べている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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