ドル売りが優勢、米債利回りは上昇も ドル円１５０円台前半＝ロンドン為替概況

ドル売りが優勢、米債利回りは上昇も　ドル円１５０円台前半＝ロンドン為替概況

　ロンドン市場では、ドル売りが優勢。序盤は米債利回り上昇とともにドル買いの動きがみられた。ドル円は150円台前半から後半へと下げ渋り。ユーロドルは1.08付近から1.0770台へ、ポンドドルは1.2920台から1.29付近まで軟化した。しかし、ドル買いは続かずに動きが反転、ドル円は150円手前へと安値を広げ、ユーロドルは1.0820台、ポンドドルは1.2950付近へと高値を伸ばしている。欧州株は堅調に推移、米株先物・時間外取引も上昇に転じている。英ＦＴによると、トランプ米大統領は４月２日発動の関税は２段階の制度を検討、と報じられている。市場にはトランプ関税が当初ほど厳しい措置にならないとの期待が広がっているようだ。ただ、クロス円は東京市場からの上値の重さが継続しており、ユーロ円は162円台前半、ポンド円は194円台前半で推移している。ドル高や円安などに調整が入っている。

　ドル円は150円台前半での取引。東京午前に150.94近辺の高値をつけたあとは、上値重く推移。ロンドン朝方に150.40付近から150.70台まで買い戻しが入ったあとは、再び軟調に推移。足元では安値を150円手前水準へと広げている。欧州株は堅調に推移、米債利回りも上昇するなかで調整主導の値動きとなっているようだ。

　ユーロドルは1.08台前半での取引。ロンドン朝方に1.0777近辺まで下押しされたあとは、上昇に転じている。足元では高値を1.0825近辺に更新している。ユーロ円は上値重く推移。東京午前の163.03近辺を高値に、162円台前半へと軟化している。足元では安値を162.30付近に広げている。対ポンドでは目立った動きを示していない。３月独Ｉｆｏ景況感指数は予想通りの改善を示していた。独Ｉｆｏは、ドイツ経済は息を吹き返しつつある、安定した政府とさらなる投資支援に期待、としていた。スロバキア中銀とエストニア中銀総裁はいずれも４月の利下げもしくは据え置きについてオープンな姿勢だった。

　ポンドドルは1.29台半ばでの取引。ロンドン朝方に1.2902近辺まで下押しされた後は、上昇に転じている。足元では高値を1.2950台に伸ばしている。ポンド円はユーロ円とともに上値重く推移。東京午前の195.01近辺を高値に、ロンドン早朝には194.30付近まで下落。その後も戻りは限定的。ユーロポンドは0.8351から0.8363までの狭いレンジ取引で、ややユーロの上値が重い程度。あすの英春季予算案発表が待たれている。

minkabu PRESS編集部 松木秀明