【新興国通貨】メキシコと米国の関係 関税発動への影響=メキシコペソ
【新興国通貨】メキシコと米国の関係 関税発動への影響=メキシコペソ
2月1日に署名されたメキシコとカナダへの25%の関税発動の大統領令。当初は2月4日発動予定となっていたが、両国の米国との交渉もあって1カ月延期されていた。延期された期限である現地米国東部時間3月4日午前0時1分(日本時間4日午後2時1分)が目前に迫っている。
市場は当初再延期などの対応があると見込んでいた。しかし、トランプ大統領は昨日、交渉の余地はない、発動すると発言。関税発動が現実になりそうな状況となっている。
メキシコは米国とかなり密接な通商上の関係を気付いている。2023年のデータをみると、輸出の75.8%が米国向け、輸入の46.1%が米国からとなっている。輸出相手先2位のカナダが5.5%であるから、米国一国に大きく偏重していた状況がわかる。メキシコの輸出というと、かつては石油・天然ガスなどが主流であったが、近年は近代化が進み、輸出の35%がコンピュータやモニターなどの電子機器、31%が車や同部品などの輸送機器となっている。米国向けの工場地帯という位置づけで、ニアショアリングの波の元に、近年のメキシコ経済の堅調さを支えてきた。それだけに今回の関税に意味は重い。メキシコ経済の根幹に影響する事態であり、いったんの混乱が見込まれるところとなっている。
フェンタニルなどの合成麻薬への対応強化などを打ち出しているが、より厳しい対応を示すなどで早期の解決が図れるかどうかが今後のペソ相場に影響してくる。
MINKABUPRESS 山岡

執筆者 : MINKABU PRESS
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