【来週の注目材料】米景況感の悪化に注意=米ISM非製造業景気指数
今週は主要な米指標は5日の7月ISM非製造業景気指数と6日の6月貿易収支程度となっています。貿易収支も相場に大きな影響力があったのは2000年代初めぐらいまでで、ここ20年ほどは目立った影響はありません。
ISM非製造業景気指数は1日に発表された同製造業景気指数がかなり弱く出ただけに少し警戒感があります。
7月のISM製造業は6月の48.5から48.8への小幅改善が予想されていましたが、46.8と予想外に悪化しました。昨年11月以来8か月ぶりの低水準となっています。
特に目立ったのが雇用部門の悪化で、6月の49.3から43.4へ5.9ポイントの悪化となりました。2020年6月以来の低水準です。
生産は48.5から45.9に2.6ポイントの悪化。2020年5月以来の低水準です。新規受注は49.3から47.4へ1.9ポイントの悪化です。在庫は0.9ポイントの悪化、総合指数を構成する5項目のうち供給のみ+2.8ポイントと改善し、50も超えています。その他調査項目では価格が+0.8ポイントなっていました。
この弱いISM製造業景気指数を受けての、ISM非製造業景気指数ですが、6月の48.8から51.3と改善見込みになっています。好悪判断の境となる50も2カ月ぶりに回復する見込みです。ISM非製造業は5月の53.8から6月は48.8へ、市場予想の52.5を大きく超える悪化となりました。新規受注が54.1から47.3に悪化、製造業の生産にあたる事業活動は61.2から49.6と11.6ポイント悪化となっています。こうした前回の大きな動きの反動もあって、少し戻してくると期待されているようです。ただ、製造業の弱さに見られる米景気の鈍化傾向から、予想ほど改善しない可能性があります。その場合はドル売りが強まると見込まれます。
MINKABUPRESS 山岡
執筆者 : MINKABU PRESS
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